今回は、『烈車戦隊トッキュウジャー』で主演を飾り、子どもから大人まで人気を博し、映画『先輩と彼女』で主人公の美野原圭吾役を演じた志尊淳さんにインタビュー。本作は南波あつこの少女マンガが原作で「マンガを何回も読んで、立ち姿や座り姿など、シルエットにはこだわりました」と役づくりについて語る志尊さんに、“顎クイ”シーンの撮影裏話や、年上&年下女性の魅力について直撃しました!
PROFILE
1995年3月5日、東京都生まれ。俳優集団D-BOYSメンバー。2011年にミュージカル「テニスの王子様」で俳優デビューし、舞台「タンブリングvol.3」、映画『携帯彼女+』などに出演。2014年に出演した『烈車戦隊トッキュウジャー』では、主人公のトッキュウ1号・ライト役を演じ、一躍人気となる。その後もドラマ『表参道高校合唱部!』、スペシャルドラマ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』など話題作に出演。映画『先輩と彼女』では、2人の女子の間で心揺れる等身大の男子高校生を好演。
シャミ:
本作で美野原圭吾(みのはら けいご)役を演じて共感したところはありますか?
志尊淳さん:
先輩を想っていながらも年下の子にも好かれて気持ちが揺らぐところにはすごく共感できて、キラキラとした少女マンガの世界のなかで、揺れる等身大の男子高校生の姿が表現されているのがすごくおもしろいと思いました。でも2人の女の子の間で揺れるのって、やっぱり肯定できることではありませんし、周りからも決して良いことだと思われないので、美野原は隠すわけですが、そういう人間臭い部分に共感できるなと思いました。
シャミ:
美野原は、明るくて誰にでも優しい人だったのですが、恋愛においてはその優しさが仇になってしまっているように感じて、観ていてすごくヤキモキしました(笑)。そういう美野原の優しさについて志尊さんはどう感じましたか?
志尊淳さん:
美野原は優しいのですが、とにかく自分の気持ちが赴くままに動いていますよね(笑)。でもそれは彼の潔い部分でもあると思うんです。自分に興味がある女の子に「好きな人はいますか?」って聞かれて、正直に「彼女はいないけど、好きな人はいるよ」って言ったり、そういう部分はすごく真っ直ぐだなと思いました。でも素直だからこそ相手を傷つけてしまうこともあったり、上手く気持ちを表現できないという意味ではすごく不器用なんですよね。
シャミ:
なるほど〜、本当に等身大という感じですよね。美野原の行動には観ていて結構ドキッとしてしまうシーンもあったのですが、演じていて特に意識した部分はありますか?
志尊淳さん:
壁ドンや顎クイも含め、なるべく自然に演じるように心掛けました。僕が観客としてこういうタイプの映画を観たときに、いかにも“壁ドンしました!”っていうシーンがあると、照れくさくて見ていられないなって思ったんです。だからこの映画を観る人には「次に壁ドン来るんじゃない?」とか思われないように自然な流れでできたら良いなって思いました。男の僕としては壁ドンとか顎クイのどこにキュンとするのか正直わからないのですが(笑)、やっぱり女性の皆さんの意見を聞いていると、そういうのが好きって聞くので、僕自身もカッコ良くできるように意識しました。
シャミ:
あのナチュラルな顎クイは、本当にさりげなくて素晴らしかったです!
志尊淳さん:
顎クイのシーンは監督の演出で、原作にはない部分なんですよ。僕は顎クイのやり方がわからなくて、最初にやったときは顎の先をつまんでしまって(笑)、そしたら違うよって爆笑されて、監督にやり方を教えてもらったんです。
シャミ:
そうだったんですね!でも映画のなかではかなり自然でカッコ良かったです。美野原は葵先輩に恋していて、後輩のりかに好かれて心揺れていましたが、志尊さんは年下と年上の女性のそれぞれの魅力ってどんなところだと思いますか?
志尊淳さん:
年上の女性は、何と言っても包容力があるところが良いと思います。あとは、いろいろな経験をしているからこそできる振る舞いや気配りの部分が見えると魅力を感じます。年下の女性については、無邪気に甘えたり、とにかく年下らしさを自然と全面に出しているところが良いなって思います。だから年下の子にはあまり大人ぶった行動はせずに、年下らしく天真爛漫な感じでいて欲しいですね。僕としては年上も年下もどっちも良いなって思います(笑)。
シャミ:
では、りかのようにストレートに気持ちをぶつけてくる女子はどうですか?
志尊淳さん:
どうしたら良いのかわからなくなってしまいそうですが、りかの一途さは良いなって思います。
シャミ:
大人になればなるほど、ああやって素直に恋する気持ちを表現することって難しくなってきますからね(苦笑)。でも葵先輩も自由奔放な感じでモテそうだなと思ったのですが、男子目線だとどうですか?
志尊淳さん:
葵先輩は彼氏がいながら、美野原にもはっきりしない態度をとるので、ああいうしたたかな女性はちょっと構えちゃいますね(笑)。でもりかも葵先輩もどっちもクセがありますよね。すごく対照的な2人なので、人によって好き嫌いは分かれる気がします。
シャミ:
最後にこれから本作をご覧になる方に向けてオススメコメントをお願いします。
志尊淳さん:
原作者の方と対談させて頂いたときに「ここまで原作に忠実にやってくれるとは思いませんでした。マンガを描いていた当時を思い出しました」と言ってくださったので、原作ファンの方にも楽しんでもらえると思います。もちろん原作を知らない方が観てもわかる話ですし、恋愛のいろいろな面が見えるストレートなラブストーリーになっているので、きっと影響される部分があると思います。大人の方なら「こんな時代があったな。あの頃が懐かしいな」って楽しめると思いますし、美野原たちと同世代なら、「告白してみようかな」「恋してみようかな」って気持ちになると思うので、ぜひ多くの方に観て欲しいです。
シャミ:
ちなみに美野原のオススメシーンはありますか?
志尊淳さん:
僕がすごくこだわったのは、部室で窓際に座ったところです。撮影の合間に美野原だったら部室のどこにいるんだろうって考えながらなんとなく窓際に座ったら、監督に「それ良いね。窓際に座ろう」って言われて、美野原の部室でのポジションが決まったんです。あそこに座っているときの美野原の感情の揺れ具合は特に観て欲しいポイントです。
シャミ:
窓際に座るのは志尊さんの案だったんですね!部室のシーンは何度も登場しますし、ぜひそのことも踏まえて観て頂きたいですね。
志尊淳さん:
そうなんです!あとは、キュンキュンして頂けるような壁ドンや顎クイのシーンも注目して観て欲しいと思います。
2015年9月7日取材&TEXT by Shamy
2015年10月17日より全国公開
監督:池田千尋
原作:南波あつこ『先輩と彼女』(講談社「別冊フレンド」刊)
出演:志尊淳/芳根京子/小島梨里杏/戸塚純貴/水谷果穂
配給:東映
高校1年生になったばかりのりかの野望は“甘い恋”。ひょんなことから現代文化調査研究部に入部したりかは、そこで出会ったみの先輩(美野原)に恋する。しかし、先輩には他に好きな人がいて、りかは生まれて初めての嫉妬を経験する。りかがどんなに先輩のことが好きでもその想いはなかなか届かない。果たして甘くて苦い恋の行方は…?
公式サイト 映画批評&デート向き映画判定
イイ男セレクション/志尊淳
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