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『ある子供』『譜めくりの女』『Les Fourmis rouges』『L'Été indien』『Dombais et fils』『レディ・エージェント 第三帝国を滅ぼした女たち』『Le premier jour du reste de ta vie』『21番目のベッド』『ザ・レイプ 欲望の報酬』『マンク 〜破戒僧〜』『メモリーズ・コーナー』『Les Tribulations d'une caissière』『Populaire』『タイピスト!』など。
1987年ベルギー、リエージェ生まれ。2005年にダルデンヌ兄弟監督によって見出され『ある子供』で主演女優に抜擢されデビューを果たす。この作品はカンヌ国際映画祭のパルムドールに輝き、デボラ・フランソワ自身もセザール賞有望若手女優賞にノミネートされた。2007年にはアンジェで行われた第19回目のヨーロッパの映画祭Festival premiers plans d'Angersで審査員に任命された。2009年に『Le premier jour du reste de ta vie』でセザール賞有望若手女優賞の受賞を果たす。2010年にはフランス人監督のオドレイ・フーシェが阪神・淡路大震災後の神戸を舞台として描いた『メモリーズ・コーナー』に出演し西島秀俊と阿部寛と共演した。そのほかにも『レディ・エージェント 第三帝国を滅ぼした女たち』『21番目のベッド』『マンク 〜破戒僧〜』などに出演し注目されている女優。
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デボラ:今回の役作りをするにあたって、50年代の映画をたくさん観ました。また監督からもたくさんの資料をもらい、雑誌や新聞、タイプライティングの教本など、さまざまな物をもらって研究しました。 私は当時のスターでマリリン・モンローやオードリー・ヘップバーンなどものすごく好きな人が多いのですが、50年代の女性は今とは服装も違いますし、動き方や話し方も違うのでそういった細かいところにすごく注意をしながら監督といろいろと相談して進めていきました。 50年代は女性解放運動が始まった時代であって当時はまだ今の女性に比べ権利も少なく、勉強を続けたり、仕事を見つけたり、何かしたいと思っていてもなかなかできなかったり、いざやろうとすると変な目で見られたり、25〜6歳になるともう結婚して家にいて子どもを産まなきゃいけないとかいろいろな制約がありました。でも今回私が演じたローズはその逆をやりたがるすごいキャクターでした。
デボラ:50年代の女性たちから学べることは、自由を求めるために戦うという姿勢であってそれは今の私たちの世代の女性たちにも言えることだと思います。今は女性の自由が当たり前のように思われていて、もう全てを手に入れて男性と平等だと思われがちです。ですが今でも給与の格差や男女で自由の平等がなかったりまだそういう状況が続いているので、ぜひこの映画を観てまだ私たちにやれることがあると学んで欲しいと思います。
デボラ:今回は衣装さんといろいろと話し合いながらいくつものドレスを作って、布からデザインから本当にすごいディティールまで相談しながらこだわって作りました。どれも本当に素敵で全部好きなので一つ挙げることはなかなか難しいのですが、強いて挙げるなら一番最後の大会で優勝するシーンのときに着ていたドレスがあまりにも気に入ったので頂きました。あれはすごくシンボリックで役名のローズと被るバラ色っていう華やかさとか夢を象徴するドレスで一番気に入っています。
デボラ:ロマン・デュリスさんには大変良い印象を持っていて、最初から上手くやることができました。彼はどっぷりとルイ・エシャールという人物になりきっていましたので、ロマン・デュリスさんと演じつつも彼を通じてルイ・エシャールを見ているような感じでした。彼はすごく役作りをしっかりしてくる人で、本当にプロフェッショナルですし正確にいつ何をどう演技するかを把握していて、テクニックも素晴らしい俳優さんでした。一緒に共演できて本当に良い経験になりました。
デボラ:まず練習についてですけど、今回撮影に臨むにあたって6ヶ月間毎日2〜3時間練習しました。やはり大会のシーンが出てくるので早打ちができなくてはいけないと思いました。実際の映像では決して早回ししているのではなく本当にあのスピードで打っています。監督と話して、お客さんを騙してはいけないしリアル感を出すために最高速で打つとうということになりました。
実際に早く打てるようになることは私にとってすごくチャレンジでした。プライベートでもコーチについてもらい週に3回練習していたのですが、それ以外の日も宿題を出されたりとにかくずっと練習をしていました。 私の父がパソコンが普及する前にタイプライターを使っていたので、この撮影の前にも触ったことはありましたが実際に打って使ったことはなく、10本の指を使って打つということも今回練習をして初めて知りました。特に私と同じ20代から30代の世代っていうのはタイプライターに触ったこともないし、打てたとしても多分2本指でしかできないと思います。ですが実際は10本でやらなければいけなかったので、今回私はハードに練習しました。
デボラ:たくさん好きなシーンがあってそれぞれに違う好きな理由があるので、作品の見どころや1つの好きなシーンを挙げるのは難しいです。ですがそのなかでも特に気に入っているのが1つ目のラブシーンの前の赤いドレスを着てバスルームから出てくるところです。あれはヒッチコックの『めまい』という作品のオマージュで、美的に観ても本当に素敵なシーンなので気に入っています。
あとは自分が出ていないシーンですが、ロマン・デュリスとベレニス・ベジョが2人で話し合って「どうして自分じゃいけなかったんだ」と問い詰めるシーンが好きです。すごく感動的だと思いました。
デボラ:大変素晴らしい素敵なコメディでスタイリッシュで本当に素敵な映画です。みなさんぜひ本作を観に来てください。そして日本人の皆さんが大好きです!
2013年8月17日より全国公開
監督: レジス・ロワンサル
出演:ロマン・デュリス/デボラ・フランソワ
配給:ギャガ
『アーティスト』『オーケストラ!』のスタッフが製作したサクセスエンタテインメントムービー!デボラ・フランソワが演じる田舎娘のローズが秘書になるために“タイプライター早打ち大会”の優勝を目指す。天然系のキュートなヒロインが奮闘しながら頑張る様子は誰もが共感できる。
© 2012 – copyright : Les Productions du Trésor – France 3 Cinéma – France 2 Cinéma – Mars Films - Wild Bunch - Panache Productions – La Cie Cinématographique – RTBF (Télévision belge)© Photos - Jaïr Sfez.
2013.8.9