映画のお仕事は、監督・女優以外にも数え切れないほどの種類があります。プロデューサー、照明、音響、衣装、メイク、宣伝、劇場営業…。映画を作る現場から、映画をユーザーに届けるところまで、さまざまな現場で働く女性にお会いする機会があれば、お話を聞いて、現場の状況などを掲載できればと思います。
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<PROFILE>
神奈川県出身、2000年生まれ。本作で本格的な演技に初挑戦。本作の主人公“藤野涼子”の名前で女優デビュー。
マイソン:
1万人の方が受けたオーディションで1年以上に及ぶ選考の末、主演に大抜擢されましたが、役が決まるまでどんな気持ちでしたか?
藤野涼子さん:
結果がどうなるんだろうという気持ちはあったんですけど、私は演技経験がないのでまずそこに立って何かをしなければいけない、何かを得なければいけないっていうことだけで、毎日精一杯でした。
マイソン:
オーディションに受かって撮影を経て、これまでの生活とどんなことが一番変わりましたか?
藤野涼子さん:
撮影を終わったときに受験生だったんですが、本とか映画に興味を持ち始めて、最近では1週間に結構な数の本を読むようになりました。
マイソン:
演技をし始めてから、日々目につくものが変わったり、自分の感性が変わったところはありますか?
藤野涼子さん:
映画を観たときに、人間の感情というか、役者さんたちはこういうことを考えてこういう人間の感情を出しているんだっていうことに改めて気付くようになったので、撮影前にもっと映画とか本に触れていたら、監督が望むイメージにより近づけたんじゃないかと、ちょっと後悔しています。
マイソン:
じゃあ、今回の出演が映画や本に興味を持つきっかけになったんですね。藤野涼子というキャラクターに共感する部分と、ここは全然自分とは違うと思う部分はどんな点ですか?
藤野涼子さん:
学校で先生に対しても意見を言うとか、涼子は正義感がすごく強いので、そこは私とは全然違うなって思います。似ていると思うところは、本当は泣きたくないのにどうしても涙を見せてしまうところです。私も現場とかで結構涙を流していたので、涼子の泣きたくないけど泣いちゃう気持ちがわかるなって思いました。
マイソン:
藤野さんご自身が一番泣いちゃうときって、どんな感情がきっかけになることが多いですか?
藤野涼子さん:
撮影では、監督が涼子の感情を私がわかりやすいように教えてくれたんですけど、そこにたどり着くためにどう表現したら良いかわからずできなくて、悔しくて泣いちゃうというのが多かったです。だから、たぶん悔し涙が多いんじゃないかなと思います。
マイソン:
映画を観ていると、涼子も自分でやりたくてもできなかったりしたときに泣いていた印象なので、近いんでしょうかね。
藤野涼子さん:
そうですね、そこが似ているんじゃないかなと思います。
マイソン:
学校と女優業の両立も大変だったと思いますが、何か工夫したことや、ここが大変だったということはありますか?
藤野涼子さん:
工夫というのは無いんですが、この作品のことをどうしても日常に引きずってしまうんですよね。でも、「藤野涼子はこんなに勉強ができるのに、なぜ自分は勉強ができないんだろう」って思うようになり、勉強をいっぱいするようになったので、この作品がきっかけで勉強に集中できるようになったというのもあります。『ソロモンの偽証』に出演していなかったら、自分は今ほど勉強勉強って考えていなかったと思うので、この作品をやって良かったなと思います。自分のなかでこの作品が変えてくれたものはすごく大きかったです。
2015年2月23日取材&TEXT by Myson
2015年3月7日より全国公開
2015年4月11日より全国公開
監督:成島出
原作:宮部みゆき
出演:藤野涼子 板垣瑞生 石井杏奈 清水尋也 富田望生 前田航基 望月歩
佐々木蔵之介 夏川結衣 永作博美 黒木華 田畑智子 松重豊 小日向文世 尾野真千子
配給:松竹
前篇・映画批評/デート向き映画判定 後篇・映画批評/デート向き映画判定
クリスマスの朝、終業式のために登校した中学2年生の藤野涼子は、雪の積もった校庭で同級生の柏木卓也が転落死しているのを発見した。ひと月ほど前から不登校になっていた彼の死を、警察や学校側は自殺と判断したが、彼をいじめていた不良グループに殺害されたという告発状が藤野涼子と、校長に届く。大人達はこの騒動を早く収めたいと警察に任せようとしたが、藤野涼子をはじめ柏木卓也のクラスメートたちは、真実を知りたいと校内裁判を計画する。
© 2015「ソロモンの偽証」製作委員会