映画を観ていると、「この主人公、イタいな〜」とは思いつつ、自分にも思い当たる部分があって、笑うに笑えないことがありますよね。今回はそういった主人公や登場人物の姿を悪いお手本として、自分のマイナス面を振り返り、改善していけるような映画を処方します。
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ヤング≒アダルト
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メイビス |
相手は妻子持ちで、交際していたのもだいぶ昔だというのに、本気でヨリを戻せると思っているところがまず怖いというか、イタい(笑)。それに、子どもを産んで生活感のあるバディの妻を見る視線や、妻を見つめるバディを鬼の形相でにらむシーンは相当怖いです。嫉妬深さと、若き日の栄光をひきづるプライドの高さが全身から滲み出ていて、醜い女になってしまっていますが、せっかく、磨けばイイ女なのにもったいないですね。 |
元彼がまだ自分のことを愛していると思い込んでいるのは、自分に自信があるとみえる半面、不安の表れとも言えるのではないでしょうか。狭い世界では女王扱いだったせいか、地元では自信満々の彼女。ちょっとその自信の使い方が間違っているけれど、せっかく違う土地に出て、彼女なりの成功を収めているのだから、過去の栄光を忘れて、新しい世界で自信を持って幸せを見つけて欲しいですね。 そして、敵視する相手を間違えている。元彼の妻を恨んでどうすると言いたくなります。恨みたいのは、夫にちょっかいを出された妻の方ですよね。ほかに男はたくさんいるのに…と思えますが、やっぱりメイビスはある意味、今の自分に自信がないのでしょう。37歳という年齢で焦りもあるとはいえ、妻子持ちの元彼を狙うのは近道どころか、遠回りです。そして、誰かの幸せと比較するのはやめましょう。女性それぞれに生き方があると思って、自分は自分の生き方で幸せになれば良いと思います。 |
バディの妻(メイビスの恋敵) |
メイビスを心配しているように見えて、どこか女のプライドが見え隠れしています。どう考えても、この状況下では妻が有利なんだから、そっとしておいた方が良いのに、情けをかけちゃったりするから、余計に怒りを増大させるのです。このタイプはおそらく、本人に悪気も自覚もなく、知らぬ間に特定の女子に恨まれるタイプですね(笑)。 |
一見、良き妻に思えますが、パーティに旦那の元彼女を呼ぶ必要はないでしょう。昔はモテていたメイビスに勝ったという自己満足を得たかったのか、彼女の意図がわかりません。騒動の火種を作ったのは自分であるとも言えるので、一概に被害者とは言えないですね。 この映画を観ると、主人公のメイビスのダメっぷりが目立ちますが、よくよくみると、両極にいる女性の見栄の張り合いなだけのようにも思えます。結局のところ、結婚して子どもがいて幸せだけど、独身で自由に自分の人生を歩んでいる女性も羨ましいと思っている部分があるのではないでしょうか?自分が選ばなかったもう一方の人生に若干の憧れを持つのは当たり前のこと。でも、やっぱり彼女も自分の人生と誰かの人生を比べてしまっている点で少し不幸なのだと思います。誰からみても幸せなんだから、わざわざ見せびらかすのはやめましょう。要らぬ反感をかうだけです。 |
バッド・ティーチャー
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エリザベス |
態度がわかりやすすぎます。好き嫌いが、第三者からみてすぐにわかるので、敵と味方をはっきりと作ってしまうタイプです。決してそれが悪いとは言いませんが、上手に振る舞っていると自分では思っていても、実は不器用。視野が狭いので、幸せにはお金が一番必要と思ってしまっている点でも損をしています。 |
彼女は策略があることが見え見えなので、意中の相手の前だけ上手く繕っても、結局いつかボロが出ます。そして、余計なお節介者が正義感を振るわせて彼女の策略を邪魔しようとするのです。ずる賢いという点では頭が働くのに、肝心の部分では「彼を落とすために豊胸手術をする」という的違いな戦略を考えてしまう残念な面も。 でも、彼女の不幸は、初めから玉の輿目的で、心から愛せる相手を見つけるつもりがないこと。男の落とし方は知っていても、落とそうとしている相手が自分にとって最良の相手かどうか、見極められないのが一番可哀想な部分。お金だけ持っていても、その男にもそのうち飽きてしまうはず。財力があるかどうかを条件の1つにするのは良いとして、やっぱり男性の内面もみて、自分に合っている相手か見極めたいところです。 |
セックス・アンド・ザ・シティ2
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キャリー |
やっとの思いで意中の彼と結婚したキャリー。交際中はパーティにでかけたり、豪華なディナーをしたり、華やかな毎日を過ごしていた二人でしたが、夫婦生活に慣れてくると、ベッド・ルームで夫はテレビに夢中。そんな彼にイライラしたキャリーは「キラキラした人生を送る努力をしなきゃ」と怒りをぶつけます。それはそれでわかる気もするけど、ちょっと疲れますね。 |
今まで独身で仕事でもプライベートでも自由に生き生きと過ごしてきた女性が、結婚して所帯じみたくないというのはよくわかりますが、家庭はリラックスして素の自分でいたい空間でもあると思うので、このキャリーの言い分はあまりに一方的に思います。個人差はあると思いますが、プライベートな時間は家でゆっくりしたい人、プライベートも外でバリバリ活動したい人、そんな二人が結婚したら、両方が譲歩しないとしんどいだけ。頭ごなしに夫に怒りをぶつけずに、交互に相手に合わせるとか、努力をしないと疲れます。40代を超えて、「疲れる女だな」なんて言われたくないですよね。キャリーは魅力的な女性ですが、あまりにも夢見る夢子ちゃんである面が同じ女性でもイラッとします(笑)。でも、そんなのを見るのが楽しい作品なのですが。とにかく、理想を捨てないことも大事ですが、人それぞれに理想があることも理解できるようにしたいです。 |
映画を観て反省することは多々ありますが、こうやって自分を振り返るきっかけになるという意味でも映画はお薬の役割を果たしていると言えますね。このテーマはまだまだほかにもタイトルがありそうですので、今後も追加していく予定です。
2012.5.12 TEXT by Myson