始めはただ“好き”“楽しい”というだけだった。でもそれがどんどんと夢に成長していき、夢を実現しようとすると、壁が立ちはだかってしまう…。夢を見つけて追った経験がある人なら、誰もがぶつかる壁があり、選ぶべき分かれ道に遭遇します。そのとき、夢を実現する道を選ばなかったら…。一時は楽になるかも知れません。でも、一生後悔に苦しむか、どこか満たされないままで過ごすことになるでしょう。本当はどちらの未来の方が怖いですか?そんな質問に答えをくれるであろう映画をご紹介します。
ツイート光にふれる
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<ユィシアンの葛藤> |
コンクールで受賞しても、ハンディ・キャップがあったから受賞できたなんていう偏見を持たれてしまうことに彼は恐れを抱いてしまい、ピアニストとしての未来に向けての姿勢にも、どこか壁を作っていることがわかります。大好きなピアノに夢中になり、それで才能が開花したのに、誰かの心ない一言で、次の一歩が踏み出せないでいるのです。 一方で、チャレンジしようと思えばできるのに、自分の本心に目を向けずに妥協して毎日をやり過ごしている女の子が登場します。彼女はユィシアンと出会ったことで、忘れていたダンスへの思いに目覚め、またユィシアンも彼女が一歩を踏み出すのを手伝うことで、徐々に勇気が芽生えてきます。 ピアノを弾いて自分で楽しむだけでなくプロのピアニストになりたいと思うなら、ダンスをしているだけで満足せずプロのダンサーになりたいなら、やっぱり人に認められなければいけなくて、そのためにまだできることがあるんだと気付いた2人。彼らとほかのユィシアンを支える仲間たちの奮闘は、それぞれに夢は違っても仲間がいれば助け合える、それぞれに悩みや壁があっても、それを乗り越えるヒントや術を仲間が教えてくれることもあるのだと気付かせてくれます。 |
ワン チャンス
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<ポール・ポッツの葛藤> |
「男たるもの歌なんて…」という環境のなか、母以外は誰も彼の夢を理解していません。とはいえ、そんなオペラを歌うことが好きで好きでたまらないポールでも、実際にオペラ歌手になろうと本気で行動を起こすには着火剤が必要で、ある1人の女性に出会ったことで、彼は夢に挑戦することになります。彼の場合、「やってみればできるではないか」と最初に希望が出てきたのが、良かったのか悪かったのか。順風満帆に進んでいたからこそ、挫折の影響が大きく、そこから這い上がるのに苦労します。1度折れてしまった心はなかなか直らない。そこにさらにいろいろなことが起きてしまい、窮地に追い込まれるのですが、彼にとってはこの窮地がチャンスへの糸口になりました。「幸せになりたい!」と心から願うには、どん底を味わわないとわからないのかも知れません。絶望の果てには希望がある!それも奇跡のようなできごとが!これは実話なので、そんなことを実証してくれた物語ということで、説得力がありますよね。 |
夢を見つけて挑戦し始めたときはまだ可能性がいっぱい残っていて、それはまだ“夢のまま”なので楽しいんですよね。でも結果が出てくると、それが夢から目標に具体化されてきて、失敗したり、壁が立ちはだかることで、自分が大好きなことで苦痛を味わうはめになる。だから、それに耐えられるかどうかが運命の分かれ道になるのだと思います。でも、そこで結局試されるのは“好き”というパワー。その“好き”というパワーに、夢に向かって一緒に進んでいく仲間がいれば、いつかきっと夢は叶います。
2014.2.10 TEXT by Myson