人との出会いで人生が大きく変わることがあります。でも、良い出会いもあれば、そうでない出会いもあり、出会ったときにすぐどちらかだとわかるものもあれば、あとあとその出会いの本質に気付くこともあります。
ツイート君が生きた証
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<サムとクエンティンの出会い> |
息子を失ってから、人生を投げ出したような生活を送っていたサムは、息子が遺した歌を聴き、何かに突き動かされるように、バーでその歌を披露します。誰も彼の歌に耳を傾けませんが、クエンティンはその歌詞とメロディに惹かれ、サムに感動を伝えます。始めは自分のなかだけに留めておこうとしていたサムでしたが、クエンティンのあまりに熱い思いに心を動かされ、音楽活動をきっかけに、2人はどんどんと心を通わせていきます。この2人に何が起きるのかは観てのお楽しみですが、波乱はあっても、根本はこの出会いによって2人とも人生が動き始めます。それぞれに突破できなかった心の壁を突き崩す役割をお互いに担っており、それは辛い現実と向き合うきっかけになりつつも、次の一歩を踏み出す力になっています。 過去に辛い経験があって、それを思い出させる存在に出会ったら、避けてしまう人のほうが多いかも知れません。でも、出会うべきタイミングでそういう人が現れたら、それは次に進むためのきっかけを与えてくれる出会いなのかも知れません。 |
フォックスキャッチャー
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<ジョン・デュポン氏とマーク・シュルツの出会い> |
人がすごく孤独なときは、ちょっとした出会いでも、とても気の合う仲間に出会ったと運命的に錯覚を起こすのかも知れません。それは本人たちにも見分けがつかないのが厄介なところ。この物語は、実際に起きた、レスリングオリンピック金メダリスト殺害事件をもとに映画化されたものですが、誰もこんな結末は予測していなかったと思います。支援したい気持ちで声をかけたジョン・デュポン、その期待に応えようとしたマーク・シュルツ。不幸にも、彼らが抱えていた心の孤独と負のエネルギーが、あるきっかけでマイナス方向へ増大してしまい、破滅へと向かっていきます。 孤独を紛らわせるために一緒にいるのか、心から一緒にいたいからいるのか。孤独になるのが怖くても、どこか友情とは違うと疑念が芽生えたら、自分の本心と向き合って、離れるべきときに離れる方が良い相手もいると思います。 |
良くも悪くも出会いは貴重。見た目は悪い出会いでもそこで学べれば結果的に良い出会いだったことになると思います。でも、本心をごまかして、見かけ騙しの友情や絆を持ち続けたら、思わぬ結果を生んでしまうかも知れません。出会いの質を見極めることも大事ですね。
2015.2.9 TEXT by Myson