何かを強く信じることはときに良いことに繋がりますが、一方でその思考に囚われて本来の自分を見失うきっかけになる可能性もあります。今回はそんな事例となる映画を取り上げます。
ツイートマクベス
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<予言に支配された“運命”> |
“王になる”という予言を信じるだけならまだしも、その予言に踊らされてしまったマクベス夫妻。どうやって王になるべきかまでは、予言にはなかったようですが、その方法を誤ったがために、2人はその後一生苦しむことになります。予言は実現したと言えますが、それはマクベスが故意に予言の方向に合わせて行動しただけとも言えます。だから、王になったまでは良かったですが、1つの予言が現実のものになったということで、自分に都合の悪い他の予言も現実化するという恐れに苛まれます。予言に思考と行動を支配されなければ、どんな運命になっていたのか、マクベスの運命は、王になることだったのか、王になって苦しむということだったのか、どちらにしても皮肉な運命です。 |
更年奇的な彼女
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<執着の原因を読み違い> |
大学時代の彼氏とは皆が羨むお似合いのカップルとして、将来結婚するものだと決め込んでいたチー・ジア。でも、卒業式でのサプライズ・逆プロポーズに失敗してから、彼女の恋はうまくいきません。彼と離ればなれになっても、過去から抜け出せない彼女は、ずっと彼との運命を信じて生きていくことになりますが、彼女を縛っているのは愛なのか否かは徐々に真相が見えてきます。でも、彼女は彼を愛していると思い込んでいます。だから周囲が見えていないし、現実を受け入れずに立ち止まったまま。恋愛の場合、相手を好きだから忘れられないと思い込みがちですが、実際はそうとは限らないのではないでしょうか。嫉妬心、自尊心、孤独…、執着の原因は愛の他にもいろいろありますが、思い込みを捨てて、自分の本心に向き合えば、意外にすんなりと過去から解放されるのかも知れません。 |
誰でも思い込みをしてしまうことはありますが、それに囚われて前に進めなかったり、道を踏み外していると感じるならば、一旦その思い込みを捨てて、思考をクリアにしてみると、何か解決のヒントが見つかるかも知れませんね。
2016.5.9 TEXT by Myson