どこか違和感があっても、周囲の空気にのまれて、自分らしさを殺して生きている人は多いはず。でも、本当にそれで幸せなんでしょうか?ワイルドに生きるとはどういうことか、今回は自分らしい生き方、在り方を貫く人達の物語をご紹介します。
ツイートワイルド わたしの中の獣
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<何をきっかけに目覚めるかはわからない> |
ワイルドに生きようというテーマながら、さすがにこれを真似ようとは言いませんが(笑)、常識に縛られない生き方として、大変わかりやすい例として取り上げました。そもそも、人間の女性が人間の男性を好きというのは、“あくまで多数派”であって、同性愛の人もいます。そのなかに分類しろとは言いませんが、いろいろな愛があってもおかしくはないという可能性は否定できないでしょう。さらに、この作品の場合は、動物への偏愛を描いているだけでなく、主人公アニア自身の中にある“野性”の目覚めにも言及していて、彼女の生き方を“軌道修正”するきっかけが、野性のオオカミだったと言えます。誰もが、ずっといるべき世界に、ずっとあるべき姿で、最初から生まれるとは限りません。違和感を持ったまま生きているなら、何か別のところに生きる場所があるのか、別の生き方があるのかを、探ってみる必要があるのではないでしょうか? |
ノーマ東京 世界一のレストランが日本にやってきた
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<自身の美学、理想を貫く> |
一皿、一皿に斬新なアイデアとデザインを施し、野菜を中心に自然素材をふんだんに使った料理で客をもてなすノーマ。今では、1人あたり7万円(為替などにもよりますがざっくりとした換算)という相場でも、世界中から多くの人が足を運ぶ名店となっています。そんなノーマですが、最初から認められていたわけではないようです。カリスマ・シェフのレネ・レゼピは、他のシェフ達から尊敬を集めていますが、彼の作り出す一皿は、とても独創的で常識に縛られないもの。そういう常識破りなものって、どの業界でも一旦拒否されるのが普通ですが、彼はどんなに否定されても、自身のこだわりを曲げず、努力に努力を重ねて、今の地位を得たと言います。誰でも否定されれば、自信をなくし、周囲が良いという価値観に合わせたくなるのは当たり前。でも、周囲の声にはいろいろあって、ただのひがみやねたみ、無責任で適当な意見も混ざっています。どんな意見も参考にするのは良いのでしょうが、自分はどうしたいのかという意志を自身で理解し貫くことで、本当に求めていたものを得られるのだと、本作から学びました。 |
「人は人、自分は自分」と小さい頃に親によく言われたのを覚えています。周囲の人が何を言おうと、自分の生き方がそのまま跳ね返ってくるのは、自分でしかありません。自分の人生に責任を持つ。周囲の考えに流された生き方は、他人に自分の人生を預けているのと同じです。そういう意味で、飼い慣らされた人間にならずに、ワイルドに生きたいものです。
2016.12.12 TEXT by Myson