情報が溢れる昨今。手軽にスピーディにさまざまなニュースを知ることができるメリットがある一方で、真実が歪められた情報も氾濫しています。今回は、特に情報操作されているとされる政治と報道にフォーカスした映画を題材に、情報と真実の違いについて考えてみました。
ツイートすべての政府は嘘をつく
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<真実を報道できない体質のウラにあるもの> |
これまで報道されてきたニュースには、全く別の側面があることを実感させられるドキュメンタリーです。大企業がスポンサーになっている大手メディアは、株主の不利益になるニュースは流せないのが当然のことで、不都合な事実は報道しないか、情報操作されています。ジャーナリストが、真実を追究したいと綿密な調査を行っても、大手メディアは扱わないか、小さく載せるだけ。大手メディアは、セレブのゴシップなど、ユーザーが反応するニュースばかりを扱い、本当に知るべき重要なニュースは、国民にはなかなか届いていない現状が描かれています。これは、今世の中を騒がせているドナルド・トランプ大統領についてだけでなく、バラク・オバマに関しても言えることで、政治のウラ側では信じられないことが起きていることに、ゾッとします。そういう事態を報道しようとするジャーナリスト達は、独立系メディアを立ち上げて、ユーザーから直接購読、視聴料をとることにより、真実を伝えられる体制を作っていますが、命がけです。私達が目にするのはどうしても大手メディアの情報が主流になりますが、そういう現実も知っておくべきですね。 |
ウィーナー 懲りない男の選挙ウォーズ
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<伝えられるのは、スキャンダルばかり> |
政治家としての熱意は十分、国民へのアピールも上手なのに、性的スキャンダルを繰り返して失脚してしまうアンソニー・ウィーナー。こういう政治家の失態を暴く役目をマスメディアが担っているのは当然のことですが、スキャンダルばかりを執拗につつくのもどうかと思えます。日本も同じですが、ゴシップばかりをフォーカスして、他の部分が報道されない状況が当たり前。偏った情報ばかりが流れてきますが、受け取る側もそれをどこまで理解しているかですよね。もちろん、そういうゴシップを作ってしまう本人にも問題がありますが、情報を発信する側も、情報の質を考えないといけないのではと思います。 |
世の中にはいろいろな情報があり、それをどう伝えるかによって、受け取られ方は違います。そういった意味で、報道する側は責任を重く感じるべきだと思います。そして、情報を受け取る私達の側も視野を広くして、自分でニュースの真偽を見極める目を持たなければいけないと思いました。最初から、肯定的、否定的な目で決めつけて物事を見るのではなく、その背景にあることや、当事者の立場なども加味して、大勢多数の意見に流されるのではなく、個々が自分の判断をできるようにならないと、いつまでも情報操作をされたニュースに踊らされるだけではないでしょうか。
2017.2.13 TEXT by Myson