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『くちびるに歌を』
2015年9月2日ブルーレイ&
DVDリリース
2015年7月11日部活実施
TSトーキョー社内にて
鑑賞会&座談会
公式サイト 作品詳細
映画批評&デート向き映画判定
■三木孝浩監督インタビュー
■恒松祐里さんインタビュー
■完成披露舞台挨拶(劇場公開時)
今回は、悲しい過去を抱えた教師が15歳の生徒たちによって心動かされていく感動作『くちびるに歌を』を鑑賞。原作は、全国音楽コンクールの課題曲となった「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」の作者であるアンジェラ・アキが五島列島の中学を訪ねるドキュメンタリーをもとに中田永一が書き下ろした青春小説で、主人公の柏木先生役を新垣結衣が演じています。15歳の心がリアルに描かれている本作を、皆さんはどんな視点から観たのでしょうか?
※一部、ネタバレする箇所があります。
マイソン:まず感想をお願いします。
Aさん:私はアンジェラ・アキの「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」が発売されたときにちょうど15歳だったので、曲自体に特別な思い入れがあります。その当時は、前になかなか進めないっていう15歳の葛藤の部分に共感していましたが、20歳になった今、映画としてこの作品を観たら大人視点の部分にも共感できました。だから観る年代や環境によって、観方が変わる映画だなって思いました。
Bさん:この映画を観ていると、自分も15歳のときにいろいろと悩んでいたことを思い出しました。でも大人である先生も苦しみを抱えていて、やっぱり大人も子どもも同じように悩みや苦しみと向き合いながら生きているんだなって感じました。
Cさん:私は今日2回目の鑑賞でした。私自身、小学生くらいからずっと音楽に携わっていて、アンジェラ・アキの「手紙〜」は吹奏楽で演奏したことがあります。そのときは特に曲に対して何も思っていませんでしたが、映画を観てやっと曲のことを理解できました。それに私自身、音楽をやってきて大変なときもあったけど、本当に続けてきて良かったなと実感しました。
Dさん:すごく感動して、手元にハンカチを用意しておくべきだったと後悔しました(笑)。私たちからすると15歳は子どもだけど、その子たちから学ぶものっていっぱいありますね。大人は自分で仕事を決めて、収入を得られるし、住む場所も付き合う友だちも全部自分で選べるけど、15歳だと自分の周りの環境を意志や努力だけでは変えられないし、観ていてすごく心に響くものがありました。
Eさん:観る前は、もうちょっとあっさりとした青春映画を想像していたのですが、思った以上に深い内容でビックリしました。15歳でも生きている意味をすごく考えていたり、いろいろな悩みを抱えていて、大人として気づかされるところがたくさんありました。だから15歳に向けてというより、大人に向けて「15歳のときはこうだったけど、今はちゃんと前に進みなさい」って言われているような気がして、すごく感動しました。
Fさん:私はちょっと前まで家庭教師や塾の講師をやっていて、実際に15歳くらいの子たちに教えていたのですが、そのときは「15歳って生意気だな」と思っていたんですよ(苦笑)。でもこの映画を観たら、彼らには彼らなりの悩みがあることがわかったので、あのときにもっと話を聞いてあげれば良かったなって反省しました。大人の場合は、住む場所とお金さえあればどうにでもできるけど、15歳の場合は、世界がすごく狭いなかで悩むから余計に難しいですよね。自分の当時の感覚も思い出しました。
マイソン:最初は女子のスカートのなかを覗いたりしていてやんちゃだなって思いましたが、その裏では生きる意味まで考えていて、当時の自分の記憶が急に甦ってきました。結構早い段階から泣けるシーンもあって、すごく心揺さぶられる作品ですよね。
マイソン:では、一番印象に残っているシーンはどこですか?
Aさん:ナズナの小さい頃の回想シーンで、お母さんが「前進、前進」って言うシーンが印象的です。船の汽笛の音も良かったです。
Gさん:私は、やっぱりサトルくんの作文ですね。なんて良い子なんだろうって思いました。自閉症のお兄ちゃんがいることで、普通なら「僕はお兄ちゃんのせいで」ってなるはずなのに、あんな風に自分の生きる意味を捉えていて、彼の数倍生きている私でも学ぶ部分がありました。彼のような優しい子がこれからいっぱい増えると良いなって思います。
マイソン:本作では合唱や歌がキーとなっていますが、歌や音楽にはどんな力があると感じますか?また、皆さんは今までに歌や音楽に影響受けたことはありますか?
Cさん:私はずっと音楽をやっていますが、正直本当に好きなのかどうかはわからなくなることもあります。でも演奏会を終えた後や、何か区切りがあったときに、やっていて良かったなとか、音楽があるからこそ今の自分がいるんだなって感じるんですよね。音楽を通してできた良い仲間もいるし、時には音楽に助けられながら、音楽を続けてこられたので本当に幸せだなって思います。
Bさん:私は小中学校のときに合唱団に入っていました。コンクールを目指していたわけではないので、あんなにしっかりと練習をしていたわけではありませんが、歌うことってやっぱり楽しいじゃないですか。みんなで一緒に歌うことで気持ちが一つになれるし、歌うこと自体がすごく幸せなことだと感じます。
Eさん:ちゃんと歌手が歌っているのを聴いて感動するのはもちろん、たまにカラオケで誰かが歌っているのを聴いたり、外国の曲で言葉がわからなくても感動するときがあります。そういうときに音楽ってすごいなって感じます。あとこの作品を観て、合唱ってみんなで心を一つにして歌わないといけないので、より音楽の力を感じました。
マイソン:そうですよね。私は、このアンジェラ・アキの曲自体は知っていましたが、今まできちんと聴く機会がなかったので、まさか歌詞にこんな意味が込められているとは思いませんでした。映画としてストーリーが語られたからこそ、こんなに良い歌なんだってより感じました。
マイソン:本作をどんな風にオススメしますか?
Eさん:みんなに観て欲しいと思いますが、特に今すごく頑張っている人に観て欲しいです。この作品は、いろいろな選択肢があって迷っている人や、すごく悩んでいて前進できない人たちの背中を押してくれると思います。私は今ちょうど30歳なので15歳の15年後の歳にあたるんですけど、自分が15歳の頃どんな30歳を想像していたのか、今の私は15歳のときの私に顔向けできるのかとか、いろいろと考えさせられました。だから30歳前後の人にはぜひ観て欲しいです。
Bさん:いくつになっても「自分って何?」って思うときがあるので、そういうときにこの映画を観て欲しいです。あとは最近、学校でいじめがあったり、他にもいろいろな事件があるじゃないですか。だから中学生くらいの子で「自分が何で存在するんだろう?」って考え始める子どもたちにも観て欲しいです。一番多感な時期だからこそ、この映画を観ることで何か考えることができるんじゃないかなって。
Aさん:自分の殻に閉じこもりがちな人が観ると、道標になってくれる作品だと思います。柏木先生も最初は殻に閉じこもっていましたけど、生徒たちと出会うことで、どんどん影響されていきましたよね。それに合唱って、やっぱりみんなでやらないとできないものなので、みんなで支え合って頑張ることの素晴らしさがわかると思います。
Dさん:中学校の授業の一環として観るのも良いと思います。新垣結衣が主演っていうだけで生徒たちも興味を持ちそうだし、どんなにやんちゃな子でも、ちょっとは心に響くものがあると思うので、若い世代に広めたいです。
Cさん:私は、小学校高学年のちょうど陰湿ないじめが出てきそうな年頃で1回観て、その後に15歳で観て欲しいなって思います。大人は一定の節目で観て、今までの自分を振り返ったり、今後どうするか考えたり、人生の選択に迷ったときに観て欲しいですね。きっと答えを出すヒントになると思います。
Fさん:私は反抗期の中高生に観て欲しいです。親にも観て欲しいので親子鑑賞会も良さそうですね。中高生くらいの年頃だと親に反発するし、親もそれに対して怒ってしまうので、この映画を観てお互いの気持ちや考えを少しでもわかってもらえたらなって思います。
マイソン:大人は自分たちの都合で怒ってしまいますが、中高生でも自分なりに考えて葛藤しているんだってことがわかったら、お互いに歩み寄ることができそうですよね。
鑑賞中は、皆さんそれぞれのポイントで感動して涙している方がたくさんいました。座談会中もその余韻を残しつつ、真剣に今の15歳と大人について語って頂きました!
本作は、新垣結衣が演じる柏木先生を通して大人視点から観ることもできますが、15歳の子どもたちの姿を観ているとすごく懐かしい気持ちにもなります。まずは今観て、10年後20年後と自分の状況や環境が変わったタイミングで何度でも観たい作品です。ぜひ今の感覚を大切にご覧ください!
2015年9月2日ブルーレイ&DVDリリース
監督:三木孝浩
出演:新垣結衣
木村文乃 桐谷健太
恒松祐里 下田翔大 葵わかな 柴田杏花 山口まゆ 佐野勇斗 室井響
渡辺大知 眞島秀和 石田ひかり(特別出演)
木村多江 小木茂光 角替和枝 井川比佐志
発売元:アスミック・エース/小学館
販売元:ポニーキャニオン
公式サイト 作品詳細
映画批評&デート向き映画判定
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くちびるに歌を Blu-ray 愛蔵版 くちびるに歌を Blu-ray 通常版
くちびるに歌を DVD 通常版
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舞台は長崎県五島列島の中学校。ある日、天才ピアニストだったと噂される柏木ユリが臨時教員としてやってくるが彼女はなぜかピアノを弾かない。合唱部の顧問となった柏木は、コンクール出場を目指す部員に“15年後の自分”に宛てた手紙を書く課題を出す。15歳の生徒が抱える悩みが綴られた手紙に、柏木は次第に心を動かされ…。
© 2015 『くちびるに歌を』製作委員会 ©2011 中田永一/小学館
2015.7.11 event