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歴史的人物や歴史を探る1ーアドルフ・ヒトラー/ナチス
書籍
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『ヒトラーの経済政策 ー 世界恐慌からの奇跡的な復興』
ヒトラー率いるナチスによるユダヤ人虐殺については多く語られてきました。でもヒトラーがドイツを復興させた功績はあまり語られてきませんでした。なぜドイツ人はヒトラーを支持していたのか、なぜユダヤ人は虐殺されたのか…、その裏側の一説が書かれています。決して彼の罪を許すわけではないですが、ヒトラーの画期的な経済政策は参考にすべき部分もあると思いました。
ヒトラーの経済政策の基本原理は「生活に困っている者をまず助ける」ことにあったようです。悪の権化の一面と、国家を率いるリーダーとしての一面、両方から見てみることで少しだけヒトラーという人物が理解できるような気がしました。 |
映画・DVD
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『アドルフの画集』
独裁者になる前に画家を目指していた頃のヒトラーが主人公です。貧しい青年ヒトラーがどうやって国家を率いるまでになったのか?フィクションを交えながら、その過程を一部描いています。
ごく普通の青年が世界を震撼させる独裁者になってしまう…何が起きるかわからないし、人は良くも悪くもどう変わっていくかわからないものなのだと実感します。 |
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『ヒトラー〜最期の12日間』
第二次世界大戦末期、ドイツが連合軍に追い込まれ、地下要塞で過ごすことになったヒトラーの最期の12日間を描いています。歴史家ヨアヒム・フェストの同名ノンフィクションと、ヒトラーの個人秘書トラウドゥル・ユンゲによる回顧録をもとに1人の人間としてのヒトラーに焦点を当て描かれた作品。
強く冷徹なリーダーというよりは、身近な者には気を配る姿も描かれ、複雑な気持ちになります。ヒトラーという人物の知られざる一面を見たという印象と同時に、ますますこの人物が謎に思えてしまいます。 |
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『ヒトラーの贋札』
ナチス・ドイツが企てた紙幣偽造事件「ベルンハルト作戦」の裏で働かされていたのはユダヤ人技術者たち。強制収容所に入れられた彼らは贋札を作らざるを得ませんでした。この映画はその中の1人、印刷工のアドルフ・ブルガーの証言に一部フィクションを交えて作られました。
第二次世界大戦中、イギリスの経済かく乱を狙って偽のポンド札を1億3200万ポンド偽造させたナチス・ドイツ…。戦闘だけじゃない攻撃もあったんですね。 |
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『わが教え子、ヒトラー』
ナチス・ドイツが劣勢に陥っていた1944年。宣伝相ゲッペルスがプロパガンダ映画を撮るためにヒトラーの演説を計画していたが、ヒトラーは自信をなくしていて、世界的俳優であるグリュンバウム教授が指導役を担い…という物語。
ヒトラーの人間らしい一面といおうか、弱い一面も描かれていて興味深いです。ユダヤ人を虐殺しながらも、指導にはユダヤ人があたっている時点で何かある…とドキドキしながら見ました。途中は皮肉を絡めつつコミカルに描かれるシーンもありますが、結末はやっぱり悲しいものでした。 |
アドルフ・ヒトラー、ナチス・ドイツの時代を描いた作品
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『イングロリアス・バスターズ』
史実をベースにしながらも新たな解釈を入れて作られたタランティーノらしい作品。題材はヒトラー暗殺ながらコミカルな部分も盛り込まれていて、一方で過激でグロいシーンもあります。
ナチス・ドイツ軍の非道な行動の一方で、ナチス・ドイツ軍の人間を血祭りにあげていく連合軍極秘部隊の残虐さも皮肉を感じます。 |
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『かげろう』
パリの戦火から幼い息子と娘を連れて逃げる途中、ナチス・ドイツ軍からの襲撃に恐怖で放心状態に陥った未亡人オディールは、イヴァンと名乗る見知らぬ若者に助けられる。そのまま4人は共に逃げ、空き家となっている他人の屋敷で共同生活を始めるが…。
ナチス・ドイツ軍の侵攻、未亡人と未成年のいけない関係、青年の秘密…といろいろな要素を織り交ぜたエロティックドラマ。なんだか不思議な映画でした。 |
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『縞模様のパジャマの少年』
第二次世界大戦中のドイツで、ナチス将校の父の仕事のために田舎町に引っ越してきた8歳の少年ブルーノが両親から入ることを禁じられている林を抜けて有刺鉄線のフェンスに囲まれた場所にいた少年と出会う。その少年はいつも縞模様の“パジャマ”を着ていて、外には出られないという…。
そんな彼とフェンス越しに友情を深めていくブルーノはユダヤ人強制収容所の実情を知らず、彼の言動を見ながらハラハラするのですが、結末の残酷さは予想しておらず本当にショックを受けました。無垢な子供だからこその行動…、非人道的なこととわかっているからこそ子供に隠していた大人の責任、ユダヤ人虐殺を止めなかった者への怒り、いろいろな感情が混み上がる一作です。 |
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『シンドラーのリスト』
1939年9月、ナチスの侵攻が始まったポーランド。始めは戦争を利用して金儲けをしようとポーランドのクラクフにやってきた、自らもナチ党員でドイツ人実業家のオスカー・シンドラーが、ユダヤ人の虐殺の実態を知り、労働力の確保という名目を使って、ユダヤ人を安全な収容所に匿い、ナチスによるユダヤ人虐殺からユダヤ人を守ろうとした実話。
モノクロの映像にポイントで赤が使われたり、独特の演出が悲壮感を引き立てます。ナチス党員が全員非人道的という偏った見方でなく、こういう人物もいたことは知っておかなければいけないですね。 |
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『戦場のピアニスト』
実在のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの実体験を綴った回想録をもとに事実に基づき描かれた感動作。ナチス・ドイツの侵攻が始まった1939年9月のポーランド。才能のあるピアニストであることが幾度とシュピルマンを助けることになるのが奇跡的で感動しますが、それでも家族と離ればなれになったり、絶望的な出来事も描かれていて切ないです。でも、希望を失い限界になったときにもやはりピアノを弾くことで心が救われていくシーンは本当に涙が出て仕方がなかったです。ラストのトーマス・クレッチマン演じる大尉とシュピルマンのやりとりには1番感動的で本当に心が救われました。ちなみにポランスキー監督自身もゲットーで過酷な生活を体験したとのことなので、特別な思いもこもっていると思います。 |
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『ディファイアンス』
ユダヤ人強制居住区域とされていたゲットーから危険を承知で仲間を連れ出したり、森の中で共同生活をしたり、1200人のユダヤ人がリーダーであるビエルスキ兄弟に救われたこの物語が実話であることに驚きました。
逃げるだけでなく、そのあと逃亡生活を続けるというのがいかに大変で、危険にさらされている人々がいつも仲間で居続けることの難しさも描かれています。辛い部分もあるけれどこれが現実なんですね。 |
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『ぼくの神さま』
1942年、ポーランドもナチスに侵攻され、ユダヤ人の強制連行が始まるなか、両親と別れて小さな村に預けられたユダヤ人少年ロメックの物語。
預けられた家族の2人の兄弟のうち、弟トロと仲良くなったロメック。
彼らの子供らしい楽しいやりとりは少し癒されますが、その分、危険が及びそうになると本当に見ていて辛くなります。そして、子供だからこそ真実を知らないために、自ら危険に近づいてしまうことも…。そんなやるせない展開に心が痛くなりました。 |
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『ライフ・イズ・ビューティフル』
ナチスの強制収容所に送られたユダヤ系イタリア人一家の物語。
幼い息子に恐怖を味わわせないように、遊びをやっているんだと思わせようとする父のおどけた行動が本当に切ないです。強制収容所のなかで家族がバラバラになっても、何とか家族を守ろうとする父の奮闘、どんなに自分が危険な状況でも息子の前では楽しいお父さんを演じる姿にハラハラしつつ、最後の最後までそれを貫くのが本当に辛いです。ラストは涙が止まりません。 |
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『ワルキューレ』
ヒトラー暗殺は何度となく実行・失敗に終わってきたようですが、この話はそのうちの一つでドイツ国内で実際にあった暗殺計画を題材に描かれた作品です。
ドイツの英雄として知られるシュタウフェンベルク大佐が第二次世界大戦末期に実行したヒトラー暗殺計画。国家に忠誠を誓う誇り高き軍人が自らの命をかけてヒトラー独裁政治を倒そうとする物語です。ヒトラーの並々ならぬ強運を感じずにはいられないエピソードです。 |
ヒトラーやナチス・ドイツにまつわる映画、ユダヤ人虐殺にまつわる映画は本当に多いですね。悲しい歴史ですが、忘れてはいけないできごとだからこそ、あらゆる視点で多く語り継がなければいけないことですね。
→歴史的人物や歴史を探る2ー世界を揺るがしたヒトラーとアートの関係
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2011.3.27 TEXT by Myson