監督、脚本は『天国の日々』『ツリー・オブ・ライフ』のテレンス・マリック、撮影監督は『ゼロ・グラビティ』『レヴェナント:蘇えりし者』のエマニュエル・ルベツキが務め、ルーニー・マーラ、ライアン・ゴズリング、マイケル・ファスベンダー、ナタリー・ポートマンという豪華キャストが集結した本作。物語は、音楽の街オースティンを舞台に、満たされないものを抱えながら生きる男女の人生が交錯する人間ドラマ&恋愛模様を描いています。自分探しをしている主人公のフェイをルーニー・マーラが演じているのですが、全編を通して彼女の透明感のある演技や繊細な表情に魅了されます。そんなフェイの前に現れるのが、ライアン・ゴズリング、マイケル・ファスベンダーが演じる男性陣。最初は、「こんなイケメン達が目の前にいたら本当に最高!」と羨ましくなりますが、だんだんと彼らの夢と現実の狭間で揺れる葛藤や、危険な人間性が浮き彫りになっていきます。私は個人的にはナタリー・ポートマンが演じたロンダに共感しましたが、セリフで多くを語るのではなく、登場人物の語りと情景で魅せるタイプの作品なので、観る人によって感情移入できる部分が変わりそうです。また、リッキ・リーやイギー・ポップ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズら有名アーティストが多数カメオ出演しているので、映画好きだけでなく、音楽好きにとっても注目ポイントの多い作品となっています。
ベッドシーンも多く、複雑な男女の恋愛関係が描かれているので、初デートや付き合いたてのカップルには刺激が強めです。付き合いの長いor映画好きのカップルであれば、フェイが魅力的な男性陣を前に、本当の愛が何なのか探求していく様子に注目してください。人生にも恋愛にも迷うフェイの行動が正しいかどうかは別として、小悪魔的要素はちょっと取り入れてみるのもアリかもしれません(笑)。
大人の複雑な恋愛物語がベースで、アート的な要素もある作品なので、キッズには理解が難しいと思います。ティーンの場合は、共感しながら観るというより、大人の複雑な世界を覗き見するような感覚になりそうです。主人公のフェイのように自分が何者なのか、将来どうなるのか考えることは、今後皆さんにもあるかもしれませんが、たくさん悩んで彼女のように道に迷っても、道を踏み外さないように気を付けてください。
『ソング・トゥ・ソング』
2020年12月25日より全国公開
PG-12
AMGエンタテインメント
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TEXT by Shamy