2014年7月4日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト
原題は“EDGE OF TOMORROW”ですが、原作は日本の桜坂洋「All You Need Is Kill」ということで邦題は原作名に合わせたようですね。観る前に「死んでは生き返るという行程を繰り返す」という設定だけ知っていたので、もっと複雑なストーリー展開なのかなと懸念もありましたが、意外にややこしいという印象はなく、観ているうちに自然に没頭していきました。劇中では目的が果たせないたびにトム・クルーズが演じるケイジが、エミリー・ブラントが演じるリタに“リセット”されるわけですが、また生き返るとはいえ“死んでリセット”されることにうんざりし、平常心を失っていくケイジの様子がユーモラスに描かれています。本来、毎度死ぬという設定は表現的に重くなりそうですが、その辺は“死”という重みを維持しつつ、バーチャルな感覚で観客が程よい距離感を保って鑑賞できるような描写にしてあるなと感じました。 そんな具合に生死という極端な比喩を使ってはいますが、解釈を変えれば「失敗をくり返しながら徐々に前進していく」ということを描いていて、それは誰にでも共感できるテーマです。作者がそういうメッセージまで本作に込めているのかはわかりませんが、「死んでリセット」するくらいなら「生きているうちに何度でもチャレンジできる方が良い」という前向きな解釈も与えてくれて、とても共感できました。 ラブストーリー色がもう少し強いのかなと思っていましたが、女子目線ではラブストーリーという感覚はあまりありませんでした。たぶん男子目線で観る方がラブストーリーなんだと思います。これは設定上の見え方もあるので、ぜひこの辺は本編を観てジャッジを楽しんでください。そして本作の見どころはやっぱりトム・クルーズとエミリー・ブラントです。今作でのトムの役は新鮮さもあったし、もう50代に突入したのにまだまだ若くてカッコ良いなと思いました。童顔のせいもあるのか、エミリー・ブラントと20歳くらい年が離れているのにあまり年齢差を感じさせないのはさすがです。エミリー・ブラントも軍曹役で戦況を左右するスーパー兵士という設定ということもあり見た目もかなり鍛えています。腕はもりっと筋肉がついているし、女子から観てもカッコ良いです。ぜひ彼女のスタイルもチェックしてください! |
戦闘シーンがかなり多く、完全なラブストーリーというわけではありませんが、観ようによってはロマンチックなストーリーではあるので、デートムービーとしても良いでしょう。エミリー・ブラントが演じるリタの目線で観るとそうでもないかも知れませんが、トム・クルーズが演じるケイジの男子目線で観るとラブストーリー色が味わえると思うので、ラブストーリーが苦手な女子と、ラブストーリーが好きな男子のカップルにはちょうど良いと思います。タイムループする物語は一見ややこしいかなと思うかも知れませんが、意外にわかりやすいので年に数回しか映画を観ないという方でも楽しめるでしょう。 |
小学校低学年以下のキッズには少々展開がややこしく感じるかも知れませんが高学年以上なら充分楽しめると思います。戦闘シーンが多いですが残酷な描写は少なめです。バーチャル・ゲーム感覚で観られるストーリーですが、描かれているテーマは考えさせられる内容も含まれています。ゲームや映画の中なら生死を繰り返すのは大したことではありませんが、簡単にやり直しが効く世界と、繰り返すことができない私たちがいる世界を比較してみたり、観終わった後にいろいろな人と感想や解釈を言い合うと何かしら学べる部分があると思います。 |
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2014.7.1 TEXT by Myson