TOP > 映画に隠された恋愛哲学TOP > HERE
『オール・ユー・ニード・イズ・キル』 2014年7月4日より全国公開 ©2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS(BMI)LIMITED |
『オール・ユー・ニード・イズ・キル』 |
---|---|
何度も死んで、死ぬ度に同じ時間を繰り返すというストーリーが展開する本作。トム・クルーズが演じる主人公ケイジだけは自分が同じ時間を繰り返し過ごしている自覚がありますが、ほかの人は違うので、同じ経験を共有することができません。だからエミリー・ブラントが演じるリタは毎回初めてケイジに会うことになり、ケイジがリタに会う度に親しみを感じても、リタのケイジへの親しみの感じ方にはずれが生じます。そういう設定を踏まえてこの映画を観ていると、男女の恋に落ちるメカニズムの違いが少し見えてくるように思います。 |
|
この映画は観る方によってはラブストーリーと言われており、映画のキャッチコピーもそれを臭わせる内容になっています。なのでラブストーリーの要素が多いのかと思って観てみましたが、意外にもラブストーリーの要素が少ないと感じました。もちろん個人差はありますが、なぜそう感じたのかを考えてみると、エミリー・ブラントが演じるリタの視点で観た場合、トム・クルーズが演じるケイジに恋をする理由があまり見当たりません。というのも設定上、ケイジは何度もリタに会いますが、リタは毎回ケイジと初対面です。「助けてくれた」「優しくしてくれた」という記憶がないので、一目惚れ以外は恋に落ちるにはまだ早い段階です。なので、この映画を観終わる段階まできてやっと恋が始まるかも知れないという感覚で留まるのではと思います。 |
|
■映画批評&デート向き映画判定 |
TEXT by Myson