2013年5月31日より全国公開/PG-12
20世紀フォックス映画
公式サイト 予告編
『JSA』『オールド・ボーイ』のパク・チャヌク監督、『プリズン・ブレイク』マイケル役でお馴染みウェントワース・ミラーが脚本、リドリー・スコット&故トニー・スコット監督が製作、『ブラック・スワン』のスタッフが手掛けた本作。このスタッフの組合せを聞いただけですごく興味が湧きますよね。ちなみにウェントワース・ミラーは、8年かけてこの脚本を仕上げたそうで、自分の名前を明かさずにエージェントを通して、プロデューサーに脚本を読んでもらったそうです。俳優が書いた脚本という先入観を持たれることを恐れて、愛犬からとったペンネームを使っていたそうです。なんだかそういうところからドラマチックですね。 冒頭はこれから展開される物語を示唆するセリフが詩的で、カメラワークやストップモーションによる演出も現実世界にいながら異空間にたたずむ主人公インディアの心境を表しているかのようで、独特な雰囲気を醸し出しています。その後も主人公が1人で思いにふけるシーンはどれも絵画的で、その美しい映像が本作に潜んでいる不気味さをより際立たせています。物語のほとんどが家とその周辺の森で展開され、セリフもとても少ないですが、少しずつ謎が解き明かされていくうちに主人公の心の中が激しく変化している様子が説明的でなく描かれていて、監督と役者の手腕を感じます。 ほぼ表情だけで心のなかの静と動をみせるミア・ワシコウスカと、母としての強さと弱さを混在させた複雑なキャラクターを演じているニコール・キッドマン、そして容姿が良く好青年に見えながらもどこか不気味さを感じさせるマシュー・グード、この3人の演技が見事です。セットや衣装などにもセンスが感じられ、女子が好きな世界観です。ぜひ、この歪んでいながらも美しい世界を堪能してください。 |
デートで観ても大丈夫ですが、暗いストーリーなので、一日中テンションが高い状態で盛り上がりたい日のデートには向かないでしょう。絵画的、詩的なシーンが多く、芸術的な作品なので、「今日は映画を観るぞ」という日のデートで観ると良いでしょう。一部、性的描写があり、あまりにウブなカップルだと少し気まずくなるかも知れません。 セリフがあまりないので、理解力に乏しい相手と行くと、解釈の度合いに差が出て、観終わったあとに話しても不完全燃焼になります。さらにあまりに相手が理解していないと若干冷める原因にもなり得ますよね。じっくり浸って観たい人は、1人か映画好きのお友だちと行くと良いのではないでしょうか。 |
PG-12の作品ではありますが、小学生で観るのは少々刺激が強いように思います。血が出るシーンなどは露骨に映ることはありませんが、心理的に緊張感があるストーリーで、物語の解釈も少々難しいかも知れません。理解力があり、これはあくまで映画のなかのお話とわかって楽しめる子なら、中学生以上のティーンはだんだんとこういう作品にもトライしてみると良いと思います。 |
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2013.5.11 TEXT by Myson