『イノセント・ガーデン』パク・チャヌク監督来日イベント、IMALU(花束ゲスト)
2013年5月21日、『イノセント・ガーデン』の公開に先立ちパク・チャヌク監督が来日しました。本作でハリウッド・デビューした監督ですが、オファーを受けた理由について、「主人公の年齢(18歳)が、私の実の娘の年と同じだということにまず感心を持ちました。それから、この脚本というのはあれこれたくさんぎっしり詰まったものではなく、余白の多いシナリオでした。なので、作り手である監督の気持ちをたくさん込められる空間がたくさんある脚本だと思ったのが理由です」と語りました。ちなみにこの脚本は『プリズン・ブレイク』の主役マイケルを演じたウェントワース・ミラーが書いたというから、驚きですね。
監督の過去作『オールド・ボーイ』『親切なクムジャさん』『渇き』などとちょっと違う雰囲気を持った本作について、監督が特に意識した点は「主人公が思春期の少女なんですが、思春期の少女に気に入ってもらえそうな作品にしたいと思いました。その年代の女の子というのは、世の中は俗なもので不潔で、大人の世界というのは浅はかで軽蔑すべき世界だと思う世代ではないかと思うんですね。この世代の女の子たちは、そういった俗世間よりも優雅なものや高尚なもの、美しいものに憧れると思ったので、こういう映画を撮りました」と答えました。本編は美しく独特なカメラワークとカット割りのシーンで始まり、おとぎ話のようなかわいらしいアイテムも多々出てくるので、監督の意図を聞くとすごく納得しました。主人公と同じ思春期の女の子はもちろん、女子なら好む世界観だと思います。
そして、花束ゲストでIMALUが登壇。本作を絶賛したIMALUのコメントに対して監督は「ここにいらっしゃる皆さんはまだ映画をご覧になっていないので、今のお話が例え嘘だとしてもまだ大丈夫ですよね」と謙虚に返していました。IMALUが「台本通りに言ってるんじゃなくて、ちゃんと個人的な感想ですよ」と言うと、さらに監督は「でも信じるか信じないかは皆さんにお任せしますね。あまり信じなくても大丈夫です。とかく映画は期待しないで観た方が良いところもありますので、心を空っぽにして観て頂ければ嬉しいです」とユーモアたっぷりに答えていたのが印象的でした。
そして、ニコール・キッドマンが大好きで中学生の頃にファンレターを出したこともあるというIMALUから、現場でのニコールの様子について聞かれると「ニコール・キッドマンさんは普段頭の中はご主人とお子さんのことでいっぱいで、よく平凡なおばさんがいらっしゃいますが、彼女もそんな感じに見えるんです。でも、撮影に入るとほかのどの俳優さんよりもプロフェッショナルな姿を見せてくださる素晴らしい女優さんです」と話してくれました。ニコール・キッドマンも普通の妻、母なんだなと親近感が湧きますね。でも、オン・オフを見事に切り替えるのはさすがです。
本作には靴が印象的に使われているのですが、この日はそのことにちなんで監督からIMALUにとてもエレガントで大人の女性らしい素敵なルブタンの靴がプレゼントされました。劇中で主人公が靴をプレゼントされるという設定はもともと脚本にはなかったそうで(脚本では主人公が特定のある靴だけをこだわって履き続けているというくだりだけだった)、監督のアイデアだそうです。本作では靴がとても重要な役割を果たしているので、そのあたりもぜひ注目して観てください!
『イノセント・ガーデン』
2013年5月31日より全国公開
配給: 20世紀フォックス映画
http://www.foxmovies.jp/innocent-garden/
© 2012 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.
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辛口?甘口?映画批評&デート向き映画判定
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