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2014年5月30日より全国公開
20世紀フォックス映画
公式サイト
 今作は2023年と、1973年が舞台となっていて、1973年の世界はジェームズ・マカヴォイが演じるチャールズ・エクゼビア（プロフェッサーX）、マイケル・ファスベンダーが演じるエリック・レーンシャー（マグニートー）、ジェニファー・ローレンスが演じるレイブン（ミスティーク）がいる時代となっています。一方2023年はどんなミュータントにも対処できる能力が備わったバイオメカニカル・ロボット【センチネル】が存在し、ミュータントやミュータントの味方をする人間たちが次々と殺されていきます。この状況をセンチネル誕生の発端になる事件が起こった1973年に、唯一タイムトラベルに耐えうる肉体の持主ウルヴァリンが変えようと向かい…という物語になっています。今作はミュータントの特殊能力による戦いというよりは、1973年の若きチャールズと、エリック、レイブンの心の葛藤が物語の鍵となっています。まだ若い彼らは自分の感情で行動を起こすため、未来で起こる悲劇を防ぐためのウルヴァリンの説得は簡単ではありません。それぞれに仲間を守ろうという思いで戦っていることに変わりはないだけに彼らの衝突を観ていると切なくなりますが、このシリーズでいつも描かれる仲間を思う心、希望を捨てない気持ち、敵をも理解し受け入れようとする姿勢には共感できます。この世に普遍的に起こる変化、進化、衰退、そして昔からある人種差別などの問題を人間とミュータントという存在に置き換えて描いた社会風刺は単なるキャラクターものに終わることがなくやっぱりおもしろいなと思います。これまでスピンオフも含めX-MENシリーズのストーリーがちょっとずつ伏線になっているので、復習してから観るとより楽しめます。特にニコラス・ホルトが演じているビーストは今作ではかなり重要な役なので、過去作でどんなストーリーをもったキャラクターだったか記憶にとめてから観ると良いでしょう。あとヒュー・ジャックマンが全裸の後ろ姿を披露しますが、あまりのマッチョぶりが笑っちゃうくらい見事です。『レ・ミゼラブル』では激やせし、本シリーズのウルヴァリン役をやるときはいつもかなりデカイ筋肉をつけて挑んでいますが体作りから徹底的にやるその役者魂に頭が下がります。ぜひそのシーンもチェックしてください。 |
 壮大なスケールと豪華キャストによる華やかさは文句なしのエンターテイメント超大作なのでデートでもオススメですが、全くX-MENを観たことがないとなると物語の背景がわからずおもしろさを最大限に感じることが難しいかも知れません。プロフェッサーXことチャールズ・エグゼビアと、マグニートーことエリック・レーンシャーの友情と確執、そしてこの二人の関係が破綻した原因の一つにレイブンが大きく関わっていることがわかっていてこその今作なので、先にシリーズの全作をおさらいすることをオススメします。過去作はたくさんあるので一緒に観るなら何度もデートする口実ができて良いですよ。今作ではあまりロマンチックな展開はありませんが、シリーズのこれまでのロマンスは少しずつ伏線で出てくるのでキュンとするシーンもあります。つきあいたてのカップルや友達以上恋人未満のカップルには気まずくならない程度でちょうど良いでしょう。 |
 X-MENの物語には、「人間は自分と違う存在を恐れる」というテーマが描かれています。これは映画のなかでは一部の人間がミュータントに対して恐れを抱いているという設定になっていますが、私たちの日常に置き換えて考えることもできます。自分が知らないことや、大きな変化を恐れるのは当然ですが、実態がわからないまま知ろうともせずにそれを排除するのが正しいのかどうか考えてみるきっかけになる映画です。キッズの皆さんはまだそこまで考えながら観るのは難易度が高いかもしれないので観たまま楽しんでもらえればと思いますが、ティーンの皆さんはそんなテーマも背景にあることを考えながら観ると有意義だと思います。 |
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■『X-MEN：ファースト・ジェネレーション』(1作目）
■『X-MEN：アポカリプス』（3作目）
■TJE Selection イイ男セレクション／ヒュー・ジャックマン
■TJE Selection イイ男セレクション／ジェームズ・マカヴォイ
■TJE Selection イイ男セレクション／マイケル・ファスベンダー
■TJE Selection イイ男セレクション／ニコラス・ホルト
■TJE Selection イイ男セレクション／パトリック・スチュワート
■TJE Selection イイ男セレクション／オマール・シー
■TJE Selection イイ男セレクション／イアン・マッケラン
© 2014 Twentieth Century Fox
2014.5.26 TEXT by Myson
