2013年12月21日より全国公開
東宝
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この映画は私の人生に大きな影響を与えてくれた作品の一つになりました。「私はこの世に生かされている、生かしてもらっている」ということに感謝の気持ちと、もっと必死で生きなければと改めて思いました。今の自分が出会うべきタイミングで観たという気がします。特攻隊の話となると大体内容は予想がつきますすが、あの時代にタブーと言える「生きて帰りたい」という思いを強く抱いていた青年がなぜ特攻して亡くなったのかという謎を追うストーリーで、真相がわかるにつれ、戦争を生き抜いた方々の悲痛な叫びが痛いほど伝わってきました。「誰かが死ぬことで生かされている」という感覚がいかに残酷か、「生きて帰れて良かった」なんて思えない立場の辛さは想像を絶しますが、戦争を体験した世代の方がどんどんいなくなっていくなか、こういう映画の必要性を痛烈に感じました。 本作を観て、自分が今ここに生きていることの意味を考えました。そしてその答えはこれからずっと探し続けるべきだなと思いました。私の母方の祖母は戦争に行き、生き残って私たちがいるわけですが、祖父は存命の時、戦友たちと毎年集まっていました。その集まりには欠かさず参加し、夏になると放送される戦争に関するテレビ番組はいつも観てましたが、なぜかどんな事を体験したのか祖父に尋ねないままになってしまったことを今でも悔やみます。今思えば、戦争の番組を観ていた祖父は、普段は明るい人なのに近寄りがたい雰囲気だった気がします。この作品を観て、そんな祖父のことも思い出し、涙が止まりませんでした。この記事を書いているあいだもまた涙が出そうになっています。そして改めて、ご先祖、両親、家族や友達、今まで出会った方々の存在の有り難さも実感しました。本作はそういう大事なことをたくさん教えてくれる映画です。 ぶっちゃけ、一部違和感のあるセリフや演出、唐突なカメラワークだなと思えるシーンはあったのですが、物語と役者の演技で感動したので総合的に◎です。それにしても岡田君の演技が本当に素晴らしかった!すごく良い役者さんですよね。さらにエンディングで流れてくるサザンオールスターズの『蛍』が最高。この曲がとどめの涙を誘いますが、この映画を観て数日はずっと頭のなかを流れていました。世代を問わず多くの方に観て欲しい一本です。 |
ぜひデートでも観て欲しいですが、涙で化粧が崩れる可能性がありますので、夜の回がオススメです。もしくはメイク直しできるようにメイク用具を持参しておくと良いでしょう。とても心に刺さる真面目な内容なので、映画がメインメニューのデート日に観てください。愛する人の存在の大切さがわかるので、2人の距離ももっと縮まるかも知れません。 |
キッズの皆さんは日本の特攻隊について先に説明を聞いてから親子で一緒に観ると良いでしょう。まだピンとこないこともあるかも知れませんが、これはとても大事なお話です。子どものうちは戦争がどういうものだったのか、どうして語り継がれるべきなのか、理解しようとする姿勢だけでもあれば十分。大人になるにつれ、もっと理解できるようになれば良いと思います。ティーンの皆さんも同じです。皆さんの祖父母の方々はもう戦争を経験した世代の方々ではないと思いますが、もしご存命なら、曾祖父母に戦争について聞いてみるとより本作への理解が深まるのではないでしょうか。 |
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2014.1.10 TEXT by Myson