2017年3月18日より全国順次公開
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幼なじみの男4人とそのパートナーが集まる食事会で始まった“ケータイ見せ合いゲーム”を巡るドタバタ劇を描いた、大人向けのコメディです。パオロ・ジェノヴェーゼ監督を含む5人の脚本家によるほぼワンシチュエーションの群像劇で、男女7人の複雑な人間関係や心理が“スマホ”という小さなブラックボックスから次々と露呈されていく姿を巧みな会話劇で描いています。ケータイのユーザーならば、そのゲームがいかにリスキーかを想像するのは容易なことだと思いますが(笑)、知り尽くしていたはずの相手の思わぬ嘘や本音に戸惑い、怒り、呆れながらも、それぞれが心の内をさらけ出していく姿は、滑稽でありながらも人間味に満ちています。本国イタリアでは28週間ロングランという驚異的な記録を樹立し、イタリアのアカデミー賞こと「ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞」では作品賞と脚本賞のW受賞も果たしたという本作。現在、世界中からリメイクのオファーが殺到しているそうですが、このことからも、ケータイを巡る問題は、どこの国でも高い共感を呼ぶことが伺えますね(笑)。 |
「愛する人にだって、堂々とケータイの内容を見せられるよ!」という方は、どうぞ胸を張ってパートナーと本作をご覧ください。それ以外の方は、よけいな火種を作らないためにも、デートで観ることは避けたほうが良いでしょう。本作で描かれているように、なかには自分自身が秘密だと思っていなかったようなことも、相手の受け取り方次第では問題になることもあります。男女の愛情だけではなく、親子の問題や、相手の親への複雑な感情、自分自身へのコンプレックスなど、けっこうシリアスな問題も多く描かれていますので、観に行く際は親しい人よりもライトな関係の相手のほうが気軽に観られるかも知れません。 |
大人向けの辛辣なコメディで、内容的にキッズやティーンにはまだピンとこないエピソードも出てくると思いますが、高校生くらいになればスリリングな心理合戦を楽しむことができると思います。キッズやティーンでもケータイ電話を持ち歩いているも多いでしょうし、親や友達には見られたくない内容もあると思います。冗談半分でも、ケータイを見せ合うというゲームはやてめておいたほうが良いですよ(笑)。 |
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2017.3.13 TEXT by min