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華麗なるギャツビー

2013年6月14日全国公開
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト　予告編

この物語が展開する豪華絢爛な世界は、前半はとてもキラキラして見えるのですが、ギャツビーの真相が明らかになってくると一転して空虚なものに見えてしまうのが不思議です。同時に純粋で揺るがないものに見えた愛も、何かの拍子にガタガタと崩れていき、それが男性と女性で反応を起こすポイントが全く違うという皮肉な面がとてもうまく描かれていておもしろかったです。
演技に関しては、プライベートでも親友のレオナルド・ディカプリオとトビー・マグワイアの息がピッタリで、とても自然でした。ディカプリオが演じたギャツビーは紳士でキザでロマンチストで純粋なのですが、ちょいちょい「これってふざけてるのかな」と思うくらいキメ顔だったり、「吉本新喜劇か～！」とツッコミを入れたくなるようなベタな演出をしたりなど、個人的には笑える部分もいくつかありました。ディカプリオのどや顔はなかなか観られないと思うので、ぜひそういう表情にも注目して観てください。
ラブストーリーとしてロマンチックに観る方と、やっぱり恋愛と結婚は違うなとか観察的立場で観る方と２パターン出ると思いますが、私は後者でした。男と女の思考の特徴がよく表れていた点が特におもしろかったです。ともあれ、どういう見方でも楽しめる作品ですのでぜひ観てください。

順風満帆なカップルや、まだ結婚を真剣に考える段階にないお気楽なカップルのデートでは良いと思いますが、真剣に見入ってしまってリアルに自分の生活に落とし込んで考えてしまう人が観たら、状況によっては今の関係に影響があるかも知れません。愛だけで満たされるのか、はたまた愛だけでは幸せになれないのか…という深いテーマを描いているので、今の相手と将来を考えているけれどちょっとひっかかるところがある場合に良くも悪くもあなたの価値観を明確化させる起爆剤になる可能性はあります。価値観が分かれるテーマなので、逆にはっきりさせたい人は彼氏と観に行って、相手の考えも聞いてみると良いでしょう。

きらびやかな世界は子どもが観てもワクワクするかも知れませんが、物語自体はちょっとキッズには難しいでしょう。中学生以上のティーンなら楽しめると思いますし、おそらく大人とは違った見方をすると思うので、親子で意見交換してみても楽しいのではないでしょうか？今子どもたちが観て、何年か経っていろいろと経験したあとに再度観るとわからなかったことが見えてきたり、感じ方が変わったり、観る人の状況で見え方が変わる内容です。そういう点も映画ならではの醍醐味ですが、ぜひこの映画をきっかけに味わってもらえたらと思います。

2013.6.13　TEXT by Myson