2018年3月10日より全国公開
東映
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子どものためを思って、優しさから厳しくするお母さん像として、皆が観たい吉永小百合の“お母さん”が本作でも観られます。堺雅人が演じる次男と母の今と昔を描いているのですが、強い母を見てきた息子にとって、母が老いていくのを見るのは辛いという気持ちがとてもリアルに描写されています。こういう感覚は大人になれば誰もが経験しますが、子どもが守られる立場から、成長して守る立場になろうとしても、やっぱり母親っていつまでも母親なんだなと、このお母さんを観ていると、胸がキュンとなるし、自分の母のことも思い出して、ジンときます。 あと本作は少し変わった構成になっていて、ところどころのシーンが舞台演劇で表現されています。正直なところ最初は唐突だなと違和感を持ったのですが、公式資料の吉永小百合のコメントによると「樺太で起きた悲惨な出来事を舞台演劇で抽象的に表現することで、若い人にも受け止めやすくなるのではないか」とありました。なるほど、広く観てもらうための工夫をしている点で好感が持てますね。そしてこの舞台演出は、人気の劇団“ナイロン100℃の演出などでお馴染みのケラリーノ・サンドロヴィッチが担当している点も要注目です。 |
本作は太平洋戦争末期の史実をもとに描かれた作品で、母と息子の物語が中心です。でも、息子が成長し結婚してからの様子も描かれていて、それぞれの親を大切にしたいという思いについて、話すきっかけにできそうです。夫婦や結婚を視野に交際している人は、一緒に観た後、お互いの実家に行く計画を立てるのもアリかも。 |
お母さんの思い、子どもの思いが詰まった作品です。舞台は太平洋戦争末期で、今とは全然状況が違っていますが、こういった親子の関係は時代を問わず変わりません。いるのが当たり前に思っている家族の存在が、いかに貴重かということに気付かせてくれる物語なので、ぜひ観てみて欲しいです。 |
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2018.3.7 TEXT by Myson