2012年7月14日より全国公開
東映
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森山未來が演じる主人公の北町貫多が、本当に良い感じに不気味で、女子は引きますね(笑)。というのは褒め言葉で、とても役にはまっていました。父親が性犯罪者だったおかげで、中卒で自活しなければいけなくなったという主人公は同情すべきキャラクターなのですが、始めは疫病神にしか見えず共感できません。19歳にして風俗通いでエロにしかはけ口がないような彼は、下品な言葉を多々発言するので、きっと女性は気持ち悪い男だなと思うはずです。まともな恋愛をしたことがないので、恋をした彼の行動は危なっかしくて仕方がなく、女子目線で見ていると引くばかりですが、中身は少年のまま大人として生きてこなくてはいけない彼の状況を考えるとだんだん、最後はどうにか成功して欲しいという応援の目線に変わっていきます。 ここまで極端な状況というのはあまり無いでしょうが、彼のもがきは若い人でも、大人でも共感するものだと思いました。親のせいで苦境を強いられ不幸に過ごしてきた自分を他人と比較して、劣等感や敗北感を感じていた彼が、新しい世界からきた同世代の男女と過ごすことで傷つきながらいろいろなことを経験し、たどり着いた思い。あんなに不気味だった主人公に最後はとても共感できます。そう、それでいいじゃないかって思えます。何も無くていいじゃないか、これから何かがあるかもしれない、それは自分自身だって思えるステキな映画です。 |
内容的に、苦難のなか、もがきもがいて1つの光を見つける主人公のお話で、その点については老若男女が共感できる部分もありますが、エロ絡みの下品な用語がかなり飛び交うので、初デートや、まだ慣れない相手とのデート、ウブな中高生同士のデートで観るにはちょっと引くかも知れません。でも、そういうのにいちいちドギマギしなくなった大人カップルは大丈夫だと思いますよ。あと、「自分は友だちのつもりなのに、相手は自分たちが恋人だと間違っている気がする」という方は、該当者を連れて行き、主人公のダメダメなアプローチ、恋についての勘違いを見せることでちょっとサインを出すのも良いかも知れません。…ってちょっとやり方がずるいですが、はっきりと言い出せない人はそれとなくってことで(苦笑)。 |
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©2012「苦役列車」製作委員会
2012.7.14 TEXT by Myson