2018年2月24日より全国公開
東宝、KADOKAWA
公式サイト
空海の物語と聞いただけで、歴史が苦手だった私はついていけるかなと不安になりましたが、史実をそのまま描いた堅い映画ではなく、楊貴妃の死について新たな視点で描かれた、夢枕獏の「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」を原作に作られたファンタジーなので、気負うことなく観られました。夢枕獏の原作からも設定が変わっているので、原作ファンも新鮮な気持ちで観られるのではないでしょうか。 KADOKAWAとチェン・カイコー監督とのあいだで映画化が決まってから10年をかけて完成した作品です。日中合作映画で、唐の長安を再現したセットは、6年かけて建設され、大きさは東京ドーム8個分。スタッフ、キャストともに渾身の作品だということは、映像の壮大なスケールで存分に伝わってきますが、空海を演じた染谷将太も中国語で演じており、中国語バージョンも観てみたくなりました。日本で劇場公開される作品は日本語吹き替えになっていますが、空海はもちろん染谷将太が自ら吹き替えをしていて、そのほかのキャストは高橋一生、吉田羊、東出昌大、寛一郎、イッセー尾形、沢城みゆき、山寺宏一などが声の出演をしています。映像では、日本人キャストは、染谷将太、阿部寛ほか数名と限られているので、完全に中国映画を観ている感覚も味わえます。日本が関わった作品としては、これまでにないくらいのスケールで描かれているので、ぜひ観てみてください。 |
楊貴妃を思う男達の物語とも言えるので、ロマンチックな要素もあり、デートで観るのもアリだと思います。歴史に詳しいならより楽しめると思いますが、詳しくなくても全く問題ありません。映像がとても綺麗で圧倒されるスケールだし、132分というボリュームがあるので、映画鑑賞をメインにした日のデートにオススメです。 |
空海、楊貴妃、白楽天、阿倍仲麻呂など、歴史を少しでも知ってから観ると、よりおもしろさがアップするとは思いますが、まずは本作を観て興味を持ってから、歴史の勉強をするのも良いでしょう。史実を描いた作品というのではなく、エンタテインメント性が強いファンタジーで、魔法のような幻術もたびたび出てくるので、小学生でも楽しめると思います。 |
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2018.2.21 TEXT by Myson