2013年8月24日より全国公開
ファントム・フィルム
公式サイト 予告編
人気マンガ家の西原理恵子の原点を描いたストーリー。絵を描くのが好きな少女が美大に通うために上京し、水商売のアルバイトをやったり、出版社に持ち込みをしたり夢を実現するために奮闘する姿が描かれています。スカイツリーも映るので時代設定は2012年以降のようですが、やや昔っぽい雰囲気もあり、時代背景が若干混乱しましたが、今も昔も貧乏生活はこんな感じなんでしょうかね。近所のお姉さんが窓を開けて声も高らかにHをしているのを主人公が窓から見ているシーンが何度かありましたが、「そんなことが起こってる場所、今も日本にあるんかいな?」なんて思いながら観ました(笑)。まあそんな描写は映画だからねということでさておき、私も上京した身で初めは本当にいろいろあって「東京なんて嫌いだ!」と思っていたのでかなり共感する部分はありました。今ではどっぷり東京暮らしに慣れて心地良く感じていますが、この主人公のがむしゃらな様子を観ていて、初心を思い出させられました。「上京したてのとき、自分も必死だったな〜。あのときは余計なことを考えずにまっすぐ突進していくパワーがあったよな」と、そこそこな生活を送ることができるようになったのは幸せだけどまだまだやらないといけないことがあるなと。夢を持つこと、夢を追うことの意味をいろいろな立場のキャラクターの視点で描いていますが、夢を追うことは別にかっこいいことじゃないし、夢があるから偉いわけでもないと本当に思います。やりたいからやるだけ。やりたくないからやらないだけ。それで良いんじゃないかなと思いました。 |
まず、ヒモ彼氏、ヒモ亭主を連れていく場合は以下の二つの結果が出そうなので気を付けましょう。1つ目はヒモが目を冷ましやる気になるかもしれない、二つ目は自分に都合の悪い話だと気づいたあたりから寝たふりをする…ですね。本作での結果は良いか悪いかは観てのお楽しみということで、普通以上の彼氏や旦那さんを連れていく分には問題ありません。夢を追う主人公の話ですが、夢を持つ人、持たない人、お互いに理解を深められる内容もありますよ。 |
北乃きいが変顔をしたり、可愛くて人気の名子役、谷花音も活躍するのでキッズでも充分楽しめます。谷花音が演じる沙希がお母さんのことで泣いているシーンで、黒沢あすかが演じる叔母が叱るシーンがあるのですが、子どもを愛情を持って叱るときってこういうことなんだろうなととても胸を打たれます。またティーンは夢を持つ若者のストーリーとしてどっぷりはまって観てみると良いでしょう。これから自分が体験するかも知れないことを疑似体験できますよ。 |
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© 2012西原理恵子・小学館/「上京ものがたり」製作委員会
2013.8.8 TEXT by Myson