2016年12月17日より全国順次公開
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主人公のオーヴェは、いつも気難しい顔をしたガンコ爺さん(と、いってもまだ59歳)。曲がったことが大嫌いで、かつては町内の自治会長も務めていましたが、数年前に自治会選挙で落選してからは自主的に町内を見回り、ルールを守らない近所の住民を容赦なく怒鳴りつけるので、すっかり厄介者扱いに。そんなオーヴェですが、最愛の妻を亡くし、40年以上勤めた会社からもリストラされたことで生きる希望を失くしてしまいます。しかし、そんなとき隣の家に外国人一家が引っ越してきて、グイグイとオーヴェの生活に関わってきます。自分に先入観をもたない彼らの無邪気さによって、次第に内面を変化させていくオーヴェ。本作は、そんな人々の様子と、オーヴェのこれまでの人生を同時に映し出していきます。淡々と語られるその人生は、実はとても壮絶。しかし、どんなときもオーヴェの心には家族や妻への深い愛情が溢れていました。生真面目で不器用だけれど、決して自分を偽ることなく生きてきたオーヴェ。いつしか、彼の仏頂面に刻まれた皺の一つひとつさえ、愛すべき年輪に見えてくるから不思議です。本国スウェーデンでは国民の約5人に1人が観たという大ヒットを飛ばし、スウェーデンのアカデミー賞と言われるゴールデン・ビートル賞で主演男優賞と観客賞にも輝いた本作。クスリと笑えて、ホロリと泣ける、オーヴェを演じたスウェーデンの名優、ロルフ・ラスゴードの味わい深い演技にもご注目ください。 |
オーヴェと妻の深い夫婦愛が描かれているので、結婚を考えているカップルやご夫婦のデートにはぴったりの作品だと思います。気難しいオーヴェを太陽のように照らし続け、自身も教師という職業に誇りをもって生きた妻のソーニャがとにかく素敵です。生きるとは痛みの連続だけれど、それでもなお、生きることは美しい。そんな人生賛歌と呼べるような作品。ぜひ、人生をともに歩む大切な方とご覧ください。 |
キッズやティーンが好むような刺激的でわかりやすい作品ではありませんが、淡々としたなかにもユーモアがいっぱいで、すごく小さなお子さん以外は楽しめる作品だと思います。自殺しようとする度に近所の問題に巻き込まれ、なんだかんだ文句を言いながらも手伝ってしまう、お人好しのオーヴェ。昭和の日本映画やホームドラマには、こんなガンコだけれど、お人好しなお爺さんがよく出てきた気がします。お友達同士で観に行くよりも、ご家族でご覧いただきたい作品です。 |
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2016.11.30 TEXT by min