2014年3月7日より全国公開/PG-12
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物語の舞台は南北戦争によって奴隷制度が廃止される前のニューヨーク。主人公のソロモンは生まれたときから自由証明書で認められた自由黒人で、彼はバイオリニストとしての職を持ち、妻と娘と不自由なく幸せに暮らし、白人の友人も多くいました。でもある日その暮らしが急に奪われ、ソロモンは11年間8ヶ月26日間も奴隷としての日々を送ることになります。そして、これは実話だというから余計にショックなのですが、彼に起こるできごとは本当に壮絶です。黒人差別について描かれた映画はこれまでも多数ありましたが、本作はより生々しい現実を突きつける内容になっており、まだまだ知らない事実があるのだなと実感しました。セリフのなかにも映像的にも描かれていますが、人扱いではなく家畜扱いされているのが一番ショックでした。 そして、罰を与えられるシーンもかなりリアルで、鞭打ちされている背中から飛び散る血しぶきがあまりにも痛々しく、ほかの同様のシーンでも苦痛がリアルに体感できるような描写でした。こういった内容をエンターテイメントである映画として描くのはとても難しいと思いますが、自ら出演を熱望した人気俳優が多数いたとのことで、壮絶な実話を多くの人に物語る役割を果たしつつ、豪華キャストの競演という部分がきちんとエンターテイメント性を担っているのが見事です。主演のキウェテル・イジョフォーはもちろん、脇役としてブラッド・ピット、マイケル・ファスベンダー、ベネディクト・カンバーバッチという人気実力派の活躍もさることながら、ポール・ジアマッティやポール・ダノら個性派俳優の演技も見ものです。そして本作が長編映画デビュー作にして見事アカデミー賞助演女優賞を受賞したパッツィー役のルピタ・ニョンゴの演技にもご注目ください。 本作は第86回アカデミー賞で作品賞も受賞しました。観ていて本当に辛くなる内容ですが、知らないといけない事実で、観ておくべき映画だと思います。 |
とても辛い内容なのでデートに向いているとは言えませんが、今日は気合いを入れて映画を観ようという日のデートなら、たまにはこういう映画も良いでしょう。キャストも豪華なのでそういった点では誘いやすいのではないでしょうか?会話が盛り上がる内容というわけでもなく、ロマンチックな要素もありませんが、家族愛が人にもたらす力が描かれているので、最後は温かい気持ちになれます。観た後は少し静かに過ごしたくなると思うので、ノリノリのデートメニューをあとに持ってくるのはやめましょう。 |
キッズの皆さんにも知って欲しいお話ですが、衝撃も強いので大人の人と一緒に観るようにしましょう。ティーンの皆さんにもショックが大きいシーンもありますが、充分に理解できる内容です。たとえ他の国であったお話でもこれは実話。この映画をきっかけに人種差別問題にも興味を持って、こんなことはあってはいけないと実感してもらえたら嬉しいです。 |
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2014.2.24 TEXT by Myson