2015年12月19日より全国公開/PG-12
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「デイン・デハーンがジェームズ・ディーンを演じるの?」と、観る前はイメージが合わなかったのですが、観ているうちにだんだんとジェームズ・ディーンに見えてきて、純心でやんちゃで孤独なジェームズ・ディーンのキャラクターがリアルに感じられました。アントン・コービン監督は彼を演じられるのはデイン・デハーンしかいないと最初から決めていたそうですが、ジェームズ・ディーンをすごく尊敬していたデイン・デハーンは、5度もオファーを断ったそうです。そんなデイン・デハーンも、ディーンが実際どういう人物だったのかを人々に伝えたいという製作者イアン・カニングの想いに心を動かされ、また演じることへの情熱で最終的にオファーを受けたそうですが、ジェームズ・ディーンの体格に近づけるため、3ヶ月で11s以上も体重を増やしたり、肉体改造にも挑んだようです。やっぱりジェームズ・ディーンを演じるということは、俳優にとって大きな覚悟が必要だったんですね。その気合いも含めて、デイン・デハーンの演技にぜひ注目して欲しいと思います。 また、本作のもう一人の主人公でカメラマンのデニス・ストックは、まだ駆け出しだったジェームズ・ディーンの可能性をいち早く見出したわけですが、ディーンが一瞬見せる孤独な表情や、奥深くにある感情を写真に収めようとします。でも、ディーンはそんな表情を易々と撮らせてくれる被写体ではなくデニスは苦労するのですが、カメラマン的な視点で描写される数々のシーンにも説得力があり、これはアントン・コービン監督自身がポートレイト写真家ということが功を奏しているのだと思います。アントン・コービン監督は、マイルス・デイヴィス、フランク・シナトラ、ウィリアム・S・バロウズ、デヴィッド・ボウイ、クリント・イーストウッド、キャメロン・ディアス、ロバート・デ・ニーロなど錚々たる人物を撮影してきたカメラマンだそうですよ。ジェームズ・ディーンが生きたひとときを切り取って描いた本作。スターとしてではなく、一人の青年としての素顔が見られる作品です。 |
ジェームズ・ディーンが若くして亡くなったことは多くの方がご存じだと思いますが、本作は伝記ものではなく、彼が過ごしたひとときを切り取ったストーリーとなっていて、悲しい最期を描いたようなものではなく、青春モノという方がイメージに合っています。ただ、どこかしらに漂う彼の孤独さが描かれているため、明るく楽しめるタイプの作品でもありません。一人でじっくり世界観にふけりたくなるタイプの映画なので、敢えてデートにオススメという感じではありませんが、恐らくジェームズ・ディーンは男女ともに人気があると思うので、2人とも興味があれば、デートで観るのも良いでしょう。 |
キッズやティーンの皆さんの多くはジェームズ・ディーンを知りませんよね?彼のことを知らずに観ても内容にはついていけますが、少しでも知っていた方が楽しめるのは間違いありません。大人に聞いたり、DVDレンタル店で彼の出演作を借りて観たり、ネットでどんな人物だったか調べてから、本作を観ることをオススメします。明確なメッセージを伝えてくるようなストーリーではありませんが、ジェームズ・ディーンがなぜ伝説になったのか、何が他の俳優と違うのか、人の魅力とは何か、また本作で言うと良い写真とはどういうものかなど、観察してみるだけでもおもしろいと思います。 |
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Photo Credit:Caitlin Cronenberg, ©See-Saw Films
2015.12.14 TEXT by Myson