2015年12月12日より全国順次公開/PG-12
シンカ
公式サイト
ツイート
物語を一言で言うと、独裁者である大統領と幼い孫が、クーデターが起こったことから逃亡するお話なのですが、本当の悪とは何なのかを深く考えさせられる作品でした。民衆に残虐なことをしたはずの独裁者も、ストーリーが進むに連れて、普通のおじいちゃんにしか見えなくなり、だんだんと殺して欲しくないという感情になりました。私自身なんとなく“独裁者=悪”というイメージがあったので、観終わったときは「独裁者に共感してしまって良いのだろうか?」という疑問が湧き、とても複雑な気持ちになりました。 |
ある程度付き合いの長いカップルであれば、たまにはこういう考えさせられるタイプの作品を観ても良いかも知れません。革命、民衆の暴動、復讐、暴力など、かなりディープなテーマが詰まっているので、観終わってから話し合うとお互いの価値観がすごく出ると思います。熱くなり過ぎてケンカしてはいけませんが(苦笑)、お互いの意見に耳を傾けながら、難しい内容を話し合うことで、2人の関係を深めることもできると思います。 |
本作には小さな孫が登場しますが、彼自身、自分の身に何が起こっているのかよくわからないように、キッズには難しい内容がたくさん出てきます。社会の授業などで、世界情勢のことなどを勉強し始めたティーンであれば、内容についていくことができると思います。本作で描かれていることはフィクションですが、実際にいろいろな国で革命や暴動が起こっていることは事実です。もし本作を観て、世界のことに興味を持てたら、自分で調べて勉強してみるのも良いでしょう。それ以外にも、本作には自分自身に問うべきメッセージも含まれています。誰かに嫌なことをされたら、やり返すという復讐心や、自分のなかの暴力的な感情についてもこれを機に考えてみてください。 |
関連記事:
■【映画を処方】世界が広がれば、生き方を選べる
■モフセン・マフマルバフ監督インタビュー
2015.12.8 TEXT by Shamy