キャスト、ストーリー、音楽など、お気に入りの要素がたくさん詰まっていて、観終わったあとに良い余韻が残る作品でした。本作は、アカデミー賞オリジナル脚本賞を受賞しており、『マルコヴィッチの穴』『かいじゅうたちのいるところ』のスパイク・ジョーンズが監督、脚本、製作を担当し、近未来を舞台にホアキン・フェニックスが演じる主人公セオドアとスカーレット・ヨハンソンが声を担当するAI(人口知能)型OSのサマンサとのラブストーリーが描かれています。2人が恋に落ちていく様子がとってもキュートでしたが、恋人同士になってからのセックスの問題など、「AIとの恋愛だとやっぱりそういう問題が出てくるよね」というところをストレートに描いてくれたのが良かったです。
ユーモラスで明るくてちょっと感情的なサマンサは、男子が間違いなく好きなキャラだと思います(笑)。でも決して小悪魔キャラではなく、純粋さを持つ女性なので、女子も憧れてしまう素敵なキャラクターです。今回スカーレット・ヨハンソンは、一切姿を見せずに声だけの演技をしているのですが、それがとにかくセクシー。ちなみにスカーレット・ヨハンソンは本作の出演で、ローマ国際映画祭最優秀女優賞を受賞という快挙も成し遂げています。サマンサ以外にも本作には女性キャラが登場し、それぞれがキーとなる役を担っています。その女性たちを演じたのがエイミー・アダムス、ルーニー・マーラ、オリヴィア・ワイルドなのですが、この女性たちなしにセオドア自身の成長はなかったと言えます。どんな風に登場するのかはぜひスクリーンでご覧ください。
それから最後に1つだけ。アカデミー賞歌曲賞にノミネートされたカレン・Oの“The Moon Song(ザ・ムーン・ソング)”がとってもこの映画の雰囲気に合っていて素敵で、劇中ではホアキン・フェニックスとスカーレット・ヨハンソンが歌っているシーンもあるのでぜひ注目してください。
きっと観ている最中はいろいろな感情を抱く作品だと思いますが、ぜひこの映画の世界観にどっぷり浸かって観てください。
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人間とAIの恋とはいえ、恋愛の紆余曲折が描かれているのでカップルで観るときっと参考になる部分がありますよ。ただフォンセックスのシーンがあるので、付き合って間もないカップルは、もうちょっと時間が経ってから観ることをオススメします。また本作にはいろいろなタイプの女性が登場するので、彼に誰が良かったのか聞いて、こっそり理想をリサーチするのも良いと思いますよ。それか逆に女心をわかってもらうという意味で一緒に観るのもアリです(笑)。 |
PG-12の作品で、キッズは大人と一緒なら観ることができますが、本作で描かれる恋愛模様そのものがキッズにはまだピンとこないと思うので、大きくなってから観ることをオススメします。ティーンは今後この映画のようなAIとの恋愛があり得るのかなと想像を膨らませつつ、逆にセオドアとサマンサを人間同士の関係に置き換えて観てみましょう。人間とAIの恋愛ということ以外にも、例えばセオドアの“代筆ライター”という仕事や職場の様子など、本作には未来を思わせる物がたくさん登場します。ぜひインスピレーションを働かせて観て感性を磨きましょう。 |