2011年9月10日より全国公開
クロックワークス
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『ヒトラーの贋札』のスタッフによる作品ということで期待を持って観賞し、期待以上に楽しめました。ナチスドイツにまつわる話と言えば、重い物語かなと思いつつ、こんなにコミカルとはビックリだし、展開が二転三転とあり、最初から最後までどう終わるのかハラハラしながらとても楽しめました。イタリアと優位な条約を結ぼうとしていたナチス・ドイツはミケランジェロの絵を取引の材料に欲しており、その絵を持っていたユダヤ人一家は画廊ごと財産を没収され…というところから物語は始まるんですが、この家の息子である主人公ヴィクトルが親友のルディに裏切られ、この2人の攻防戦が繰り広げられます。ときにユダヤ人であることを隠し、あるときになると逆にユダヤ人であることが優位になる…。そんな皮肉も見事に描かれている点が実にうまいのです!やれやれ、ここで一件落着かと思ったら、また一方がやり返す…そんな展開の繰り返しで、サスペンスながらコミカルに描かれているのが新鮮でした。 主演のモーリッツ・ブライプトロイは『ラン・ローラ・ラン』(1998)のときから俳優として注目していますが、彼が出ている作品ってはずれがないように思います。いつも安心して観られます。 ナチス・ドイツ映画と一括りにせずに、ぜひ多くの方に観て欲しい良作です! |
一見、ナチス・ドイツ映画だし難しそうで暗そうと思われがちですが、軽快なストーリーでどんな人でも楽しめます。残酷なシーンもないし、ユーモアが効いていて楽しめます。『ミケランジェロの暗号』というタイトルから歴史を知っていないとついていけないのでは?なんて感じる方がいるかも知れませんが、全然知らなくても問題ありません。彼や旦那さんにもヨーロッパ映画を好きになって欲しいなと思っている方、これはヨーロッパ映画鑑賞デビュー作としては良いと思います。「なんだ、ヨーロッパ映画もおもしろいじゃないか」と思ってくれると思いますよ。 |
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2011.8.28 TEXT by Myson