2016年5月7日より全国公開
東宝
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事件解決の過程を見せながら警察内部の問題を暴くような作品は数多くありましたが、本作はマスコミと警察という関係性が物語の軸になっていて、これまで観てきた警察ものとは一線を画しています。どれくらいの情報をマスコミに渡すべきか、それは捜査に影響を及ぼす可能性があると考えると制御されるべきですが、一方でマスコミ側もネタを探すのが仕事なので相手が警察だからと従順になるわけでもなく、双方の利害のバランスを取るのが大変難しいんですね。さらにあまり情報を出さずにいると、警察の隠蔽ではないかと追求されたり、秩序を保つには警察の広報とマスコミのあいだの信頼関係がいかに重要かがわかります。前編では、地元のマスコミ陣と、佐藤浩市が演じる広報官、三上との激しいぶつかり合いが描かれていましたが、私たちの見えないところでこんなやりとりもあるのかと驚きました。どうしても主人公の三上に感情移入してしまうので、瑛太が演じる秋川ほかマスコミ陣の横暴さにイライラして仕方がないですが、三上がどう彼らを説得していくのかが前編の一番の見どころです。クライマックスのシーンはじわじわを涙が出てきましたが、結局は“人として”という部分にかかってくるのだなという点に感動しました。それにしても、キャストが本当に豪華で名優揃いですが、この映画史上に残る邦画超大作は必見です。 |
堅い映画ではありますが、難しいストーリーではないし、半分は家族の物語と言っても過言ではありません。サスペンスとしてもドラマとしても楽しめて、性別による好みを問わない内容です。信じられないくらいの豪華キャストは若手人気俳優からベテランまで揃っていて、ファンの年齢層にも幅を持たせていて、若いカップルから熟年カップルまでカバーしています。前編は推理要素は少ないですが、鑑賞後は後半の展開を予想し合えば、会話も盛り上がるでしょう。前編を一緒に観たんだから、後編も一緒に観ようって次のデートも誘いやすいですよね |
ざっくりとした物語は子どもでも理解できるかも知れませんが、警察の組織編成や難しい言葉を理解しながらストーリーを追うのは、キッズにはまだ難しいと思います。中学生以上なら、こういう邦画サスペンス・ドラマにも興味が出てくるでしょうし、主人公の三上と娘の話は皆さんにとっても身近なストーリーとして観られると思います。マスコミと警察の広報とのやりとりにも、考えるべきテーマが詰まっているので、ぜひ家族や友人と観てお互いの感想や意見を交換してください。 |
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2016.5.2 TEXT by Myson