ペニー・ドレッドフル 〜ナイトメア 血塗られた秘密〜

シーズン1／R-15+

2015年9月2日DVD発売&レンタル開始
（左記はセル用ジャケット）
Penny Dreadful © 2014 Showtime Networks Inc. All rights reserved. © 2015 Showtime Networks Inc. All Rights Reserved. SHOWTIME and related marks are registered trademarks of Showtime Networks Inc., a CBS Company. © 2015 CBS Studios Inc. CBS and related logos are trademarks of CBS Broadcasting Inc. All Rights Reserved.

『007 スペクター』で監督を務めたサム・メンデス、『007 スペクター』『グラディエーター』で脚本を担当したジョン・ローガンが製作総指揮で、ジョシュ・ハートネット、エヴァ・グリーン、ティモシー・ダルトンと、映画俳優がメイン・キャストに名を連ねている本作は、まさに映像も映画的なゴシックホラーです。“ペニー・ドレッドフル”とは、19世紀の英国で流行った1ペニーで買える大衆誌のことで、ミステリー、スリラー、ホラー小説が載っていたようですが、本作のようなモンスター系のストーリーも“ペニー・ドレッドフル”によって広まったと言われています。で、本作にはフランケンシュタイン博士によって産み出された人造人間、ヴァンパイア、狼男というお馴染みのキャラ組合せや、ドリアン・グレイ、ヴァン・ヘルシング…というキャラクターも登場するのですが、安っぽいモンスター系作品ではなく、寒々と薄暗い不気味な世界観のなかで展開する重厚感のある映像に仕上がっています。オープニング映像が結構長めに作られているのですが、美しくも恐ろしい描写が織り交ぜられていて、本作のムードを凝縮したようなとても印象的な映像になっています。
キャラクター1人1人が謎めいていて全員興味深く、役者の演技も見ものなのですが、生と死の狭間をテーマにした本作で、2つの世界を橋渡しする重要な役割を担うヴァネッサを演じたエヴァ・グリーンの演技が特にすごいです。得体の知れないものに憑依されてしまうシーンでは、迫真の演技を見せていて、あまりの乱れっぷりにやっぱりこの人は女優魂があると実感させられました。そして、今作ではジョシュ・ハートネットがとても紳士的な役でカッコ良く、ティモシー・ダルトンはおじさまではありますが色気を漂わせていて魅力的です。リーヴ・カーニーが演じる不老不死の美青年ドリアン・グレイは、カッコ良いというよりも中性的な美しさを放っていて、物語を掻き回していくのですが、まだ彼については詳しく語られないので次シーズンで何が明かされるのかとても楽しみです。余談ですがリーヴ・カーニーに見覚えがあるなと思っていたら、数年前にニューヨークへ行った際ブロードウェイで観た『スパイダーマン』の主演が彼でした！当時は彼のことを知らずに観ていましたが、何だか得した気分です（笑）。というわけで本作はまだまだ続きを観たいと思います。

シーズン2／R-15+

2016年9月7日DVD発売&レンタル同時
（左記はセル用ジャケット）
Penny Dreadful © Showtime Networks Inc. All Rights Reserved.

シーズン1と敵が変わり、ヴァネッサにまつわる過去の因縁を軸として新たなストーリーが展開します。また、ジョシュ・ハートネットが演じるイーサンや、リーヴ・カーニーが演じるドリアン・グレイの謎も解き明かされ、どんどん物語が広がりを見せ、同時に一人ずつのキャラクターが掘り下げられていくので、おもしろさは倍増。 フランケンシュタイン博士の研究も発展を遂げ、恐るべき展開でシーズンの幕を閉じるのですが、思わぬ人物が鍵を握っていて、飽きることなく観られました。おどろおどろしさも輪をかけてきて、不気味さが何とも言えません。ヴァネッサを演じるエヴァ・グリーンのシーン毎の恐ろしい形相と、品のある美女の風格のギャップもすごくて、雰囲気、演技共に類をみない名女優だなと感心します。あと、映画『ストーンウォール』で演技力と存在感を発揮していたジョニー・ポーシャンがトランスジェンダー役で登場していたのは嬉しい発見。魅力的なキャラクターも増えてますます興味深くなり、次のシーズン3がファイナルなので、必ず見届けたいと思います。

シーズン3

ヴァネッサを長く苦しめてきた相手の正体や、その背景が明らかになっていき、さらにイーサンとヴァネッサの運命や、他のキャラクターの物語ももっともっと掘り下げられていきます。今シーズンからは、”ジキルとハイド”でお馴染みのジキル博士が登場したり、本当にオール・スター大集合といった感じに。それだけ見応えも増しますが、欲を言えば全部が全部絡んで終わって欲しかったなという部分はありました。でも、そうなるとかなり物語が混沌としてしまうので、これが限界かなとも思いますが、それぞれの物語が絡みつつも、個々に持っているメッセージ性は損なわれないのが素晴らしいなと思いました。
そして何より、善と悪、生と死、愛と憎しみという壮大なテーマをすべて融合させながら、1つの哲学的理論をもって、ドラマとして表現しているところに共感できました。こういうストーリーは大好きなので観て良かったと思いました。悲しく切ないお話ではありますが、最後は綺麗な終わり方をするのでスッキリします。今シーズンでラスト、そして9話構成なので、週末か連休などに全シーズンを一気観もできると思います。オススメですよ！