>映画に隠された恋愛哲学とヒント集20

ひょんなことから恋人でもないのに一緒に住むことになった西森葵と久我山柊聖。最初は学校でモテモテのクールなイケメン柊聖をただの同居人と思っていた葵でしたが、案の定だんだん二人は惹かれ合っていきます。でも、何だか柊聖には人に言いたくない過去があるようで、それには元彼女が絡んでいる様子。柊聖はときに葵に言わずに外泊したり、どんどんと葵は不安になっていきます。

最初は親友が柊聖を好きだったので対象外にしていた葵ですが、やはりだんだんと柊聖のことが好きになり、柊聖も葵のまっすぐさに惹かれていきます。友達以上恋人未満でほどほどの距離感があるうちは二人とも楽しんでいる様子で、葵の上手な手料理を柊聖は喜んで食べたり、平和に同居をしています。でもお互いに言葉にはしないまでも、明らかに二人が相思相愛だと自覚するようになってくると、やはり心配事も増えてきます。柊聖は過去にあったあるできごとのせいで元カノと縁を切れず、元カノもそれを利用して柊聖を突然呼び出したり、彼を解放するつもりはなさそうです。さらに葵の存在を知った元カノは余計に必死になるのですが、葵もあまり踏み込んで柊聖に事情を聞くことができずに悩みます。そうやって思い悩む葵の姿をみた柊聖が、今度はそれを重荷に思うようになっていきます。
こういう元カノという第三者がいない場合で考えても、「同棲」という状況で言えば、お互いの距離感は大事です。外でだけ会うならば知らなくて済むこともありますが、一緒に住むとなると全部見えてしまいます。だから余計な心配事はつきものです。でも、いちいち心配していたら身が持たない。特にモテる人、社交的な人とつきあう場合は疑っていたらキリがありません。毎晩寝ずに待っているというのも、相手によっては重く感じてしまうことも。相手を心配しながらも、その心配で相手に重荷に感じさせず、自分も心配で押しつぶされないようにする距離感を保つのが大事です。ちょっと難しいですが、結局は信じるしかないということなのかも知れません。「もし自分が恐れている事態が起こったとしたら、実際にそうなってから考えれば良い」くらいが良いと思います。起こってもいないことを恐れて相手を束縛したり、心配を押しつけたりすると、余計にそういう事態になってしまうこともなきにしもあらずですよ。