映画に隠された恋愛哲学とヒント集59

彼氏の小出桔平と、同棲して5年経つ川原由加利は、結婚を強く意識するようになります。でも、そんな時、桔平が交通事故で意識不明の重体に。警察は身元確認のため、由加利のもとを訪れますが、小出桔平という人物は存在せず、彼が何者かが謎に包まれてしまいます。裏切りを知り、愕然とする由加利でしたが、彼に真相を聞くこともできず、自分で彼の素性を探ることに…。

バリバリのキャリアウーマンで、家に帰れば優しい彼が家事をしてくれている…、そんな理想の生活から一変。彼が身分を偽っていたと知り、主人公はどん底に陥ります。もしこんな事が自分に起きたらと想像すると、立ち直るのがすごく大変そうだし、彼の本当の姿を知る勇気も持てないかも知れません。でも、彼がなぜそんな嘘をついていたのか知らないままでいると、彼との関係を続けるのか、縁を切るのかも、踏ん切りがつきません。本作は実在する新聞記事から着想を得たストーリーだそうで、あり得ない話でもないと思います。ここまでドラマチックではないにしても、多少素性を隠している男性がいるのはよくありますよね。それが、二股や不倫などを隠すためなら許せませんが、希望が打ち砕かれる可能性は覚悟しつつ、真実と向き合うほうが、前に進めそうです。