人気お笑い芸人“バッドボーイズ”の佐田正樹による実録自伝小説を基に描くヤンキー青春映画『デメキン』で主演を務めた健太郎さんにインタビューしました。“デメキン”と呼ばれていじめられた少年が強くなることを決意した日から、喧嘩無敗と数々の伝説を作り出し、福岡最大勢力の暴走族の総長へと登り詰める姿を描く本作。これまでにないワイルドな役柄を力強くも瑞々しく演じた健太郎さんに、役に賭けた思いや撮影の裏話などを伺いました。
PROFILE
1997年6月30日生まれ。東京都出身。モデルとしてデビューし、メンズファッション雑誌「FINEBOYS」(日之出出版)などを中心に活動後、2014年にドラマ『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』で俳優デビュー。以降、抜群の存在感で注目を集め、ドラマや情報バラエティ番組、映画、雑誌など幅広く活躍。主な映画出演作は『俺物語!!』(2015)、『ミュージアム』(2016)、『14の夜』(2016)、『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』(2017)、『サクラダリセット前篇・後篇』(2017)、『先生!、、、好きになってもいいですか?』(2017)など。2018年も出演作が多数待機する注目の実力派若手俳優。
ミン:
長編映画の単独初主演おめでとうございます!正直こんなに迫力のある、ワルの健太郎さんを想像していなかったので驚いちゃいました!
健太郎さん:
はははは!ありがとうございます。今までにない役でしたし、驚きの声は多数頂きました。
ミン:
主演のオファーを受けたときは、どんなお気持ちでしたか?
健太郎さん:
「デメキン」はコミックで読んでいて、しかもすごく好きな作品だったので、実写映画化と自分が主演というのを同時に知ってびっくりしましたし、とにかく嬉しかったです。主演のプレッシャーがなかったと言えばウソですが、それよりも嬉しさと頑張りたい気持ちが大きかったです。
ミン:
役への思い入れもハンパではなかったとか。原作者の佐田さんともたくさんお話されたそうですね。佐田さんとは、以前から面識があったのですか?
健太郎さん:
いえ、この映画が決まってから初めてお会いしました。撮影の何ヶ月か前にお会いして、当時のことなどを教えていただきました。佐田さんはよく現場にも来てくださったので、そのシーンでのリアルな状況や心情を直接伺うことも多かったです。佐田正樹という人間とその人生をできる限りリアルに演じたいと思ったし、脚本を読んで感じること以上に、本人にしかわからない感情もあると思ったので。実際に、佐田さんとお話したことが役作りにもつながったと思います。
ミン:
これまでの健太郎さんのイメージがガラッと変わるような、表情や仕草もたくさんされていましたね。
健太郎さん:
コミックでも正樹はわかりやすい睨み顔をするんです。だから、表情はちょっと誇張しようと意識しました。博多弁の不良言葉を佐田さんが皆に教えてくれて、それを本番でも多用しています。
ミン:
“不良映画”や“ヤンキーアクション”はいつの時代も普遍的な人気がありますよね。健太郎さんはどういったところが魅力だと思いますか。血が騒ぐような感じ…とかでしょうか?
健太郎さん:
普段起こらないことが繰り広げられるから血が騒ぐような感じは確かにありますね。この作品は、知っている芸人さんの自伝ということで、「これって、マジなんだ!」と思いながら読んで、余計にドキドキハラハラしました。自分で演じていても「こんなことが、リアルにあったのか!」と思うと、より一層おもしろかったし、自分の中高生の世界ではあり得ないことが繰り広げられていて、「佐田さん、本当にすごいことをしてきたんだな」と、何度も思いました。ノンフィクションがたくさん詰まっているので、やはり興奮しますよね。
ミン:
なるほど。本作では正樹と山田裕貴さん演じる親友の厚成が福岡一の暴走族を目指しますが、何かのトップに昇り詰めるとか「天下取ったる!」みたいストーリーも男性は好きですよね。
健太郎さん:
好きですね。やっぱり、男なら「特攻服かっこいい」とかワルに憧れるような時期があると思うし。てっぺんを取るみたいなストーリーは基本的に憧れるんですよ。でも『デメキン』に出てくるのは、見た目は不良ですが、愛くるしい人達なんです。純粋に好きなことをやっていて、その若さゆえの自由さも含めてすごく愛すべき連中。女性から見れば「男ってバカだなぁ」って思うのかも知れないけれど、そう思いながらも男同士の世界を羨ましくも思ってもらえたら嬉しいです。
ミン:
たしかに女子的には「男ってバカだなー」と思うシーンも多々ありました(笑)。でも、結局は憎めなくて、ちょっと嫉妬しちゃうくらい男同士の友情が眩しくもあって。だから、厚成のことを怒りながらも好きでいるアキの気持ちがすごくわかるんですよね。アキを演じた今田美桜さんの魅力もありますけど、アキは誰よりも肝が据わっていて、同性から見てもすごくかっこよくて。
健太郎さん:
厚成の周りにいる男達も、誰もアキにはかなわないんですよ。アキは登場人物のなかで一番強いと思います(笑)。何よりも厚成を支えることに賭けた強さですよね。厚成は最高の女性を見つけたと思います。
ミン:
同感です。女性的な強さと男性的な強さの違いも、本作の見どころだと思うんです。女子同士はケンカをして「お前強いな(ニッコリ)」なんてことにはならないですけど、健太郎さんは、実際に誰かと激しくぶつかったからこそ友情が生まれたとか、絆が深まったという経験はありますか?
健太郎さん:
ありますよ!今も一番仲のいい学生時代の親友とは、もともとはすごく仲が悪かったんです(笑)。
ミン:
ええー。どうして仲が悪かったんですか?
健太郎さん:
僕の通っていた学校は中高一貫校で、僕は中学から通っていたのですが、彼は高校から入ってきた“高入生”だったんです。中学から一緒の連中と、高入生の間にはどうしても壁ができるんです。僕はクラスでもわりと目立つほうで、そいつも高入生のなかで目立っていて、何となくキャラ的にも似ていたんです。だからお互いに意識もしていたし、実際にケンカになったこともあったし。でも2年で同じクラスになって、たまたま席が隣になって。最初は気まずかったけれど、帰り道が一緒になったりして、気づいたら仲良くなっていました。体育祭の応援団をやることになって、団長が僕で、彼が副団長になったのですが、その練習時期にドラマの撮影とかぶってしまったんです。先輩から散々に言われたのですが、それをかばってくれたのも彼でした。今でも彼を含めた4人でつるんでいます。
ミン:
うわー、なんか男子っぽい。キュンとしました(笑)。
続きを読む>>>>> 1 2:誰にも負けない特技は…“縄系”!?
2017年12月2日より全国ロードショー
監督:山口義高
出演:健太郎/山田裕貴/ノ俊太郎/今田美桜/煖エ里恩/田中偉登/福山翔大/三村和敬/藤木修/岩永ジョーイ/神永圭佑/成田瑛基/笠松将/黒石高大/くっきー(野性爆弾)/ケン(水玉れっぷう隊)/坂田聡
配給:AMGエンタテインメント
ギョロっとした二重の目が特徴の佐田正樹は、幼い頃から“デメキン”と呼ばれていじめられていた。しかし、強くなることを決心した正樹は、ある日、いじめっ子達を返り討ちにする。それ以来、腕っぷしを鍛えて喧嘩では敵なしの存在となっていった。中学生になった正樹は赤髪をリーゼントにして、小学校からの親友である厚成と喧嘩やバイクに明け暮れる。中学卒業後、正樹は高校へ進学し、厚成はラーメン屋で働き始めるが、相変わらず年上の不良に目を付けられては喧嘩ばかりの日々を過ごしていた。ある日、バイク事故で死んだ憧れの暴走族の総長、真木のことを思い返していた厚成は正樹に福岡一のチームを作ろうと持ちかける。2人はチーム“亜鳳(あほう)”を結成するが、次々と血気盛んな敵が現れて…。
公式サイト 映画批評&デート向き映画判定
関連記事:
■TJE Selection イイ男セレクション/健太郎
■TJE Selection イイ男セレクション/山田裕貴
© よしもとクリエイティブ・エージェンシー/ワニブックス/秋田書店・ゆうはじめ
© 2017映画『デメキン』製作委員会