年の差カップルの純愛を描いた人気BLコミックス「花は咲くか」を映画化した本作で、主人公、水川蓉一を演じた渡邉剣さんと、桜井和明を演じた天野浩成さんにインタビュー。ラブシーンについてなど、ちょっと踏み込んだ質問をしましたが、お2人とも真摯に答えてくださいました。
PROFILE
水川蓉一役:渡邉剣(わたなべつるぎ) 1996年7月16日生まれ。福岡県出身。2014年度ジュノン・スーパーボーイ・コンテストファイナリスト。2016年『動物戦隊ジュウオウジャー』でジュウオウエレファント・タスク役に抜擢され、2017年『世にも奇妙な物語‘17春の特別編』で注目を浴びる。その他、テレビドラマ『明日の約束』に沢井勝役でレギュラー出演。本作で映画初主演を果たす。 |
桜井和明役:天野浩成(あまのこうせい) 1978年4月9日生まれ。愛知県出身。2004年『仮面ライダー剣(ブレイド)』でブレイク以降、『仮面ライダーフォーゼ』『ぼくの夏休み』『シュガーレス』等、テレビドラマに多数出演。『メンゲキ!』『TRASH/トラッシュ』『カノン』や、“HiGH&LOW”シリーズなど、映画でも活躍中。 |
マイソン:
本作の原作コミックは女性にすごく人気だそうですが、お二人は本を読んだときにこの物語のどんなところに女性が魅力を感じると思いますか?
渡邉さん:
日高ショーコ先生の絵がとても綺麗だったので、そこが惹かれる一つの要素かなと思いました。世界観がものすごく綺麗で、ドロドロしてないところも良かったです。僕も読んでみて、ものすごく読みやすかったし、濃厚なラブシーンもあまりなかったので、完全に僕個人の感覚ですが、誰にでも手が付けやすいタイプのボーイズラブなのかなって思いました。
マイソン:
映画にも、そういった原作の美しさが反映していましたね。天野さんはいかがですか?
天野さん:
女性に人気というのもわかりますし、僕も読んで、男性から見ても、一人ひとりのキャラクターが成長していく人間ドラマが、ボーイズラブかどうかに関係なく、物語としておもしろいなあと感じました。
マイソン:
男性目線、女性目線に関係なく楽しめるということですね。同性愛という設定は、演じる上でデリケートに感じた部分はありましたか?
渡邉さん:
あまりそういうのは感じなかったんですが、やっぱり男性同士の恋愛ならではの感情を表現するのがちょっと難しかったです。
マイソン:
演じていくうちに、少しずつ感覚を掴んでいったんですか?
渡邉さん:
そうですね。蓉一というキャラクターにはすんなり入ることができたので、たまたま彼が好きになったのが男性というだけだった、と僕は捉えました。だから普通に恋愛している気持ちで演じました。
マイソン:
蓉一はすごく無垢で、たぶん自分でも男女どちらが好きとかあまり意識せずに生きてきて、桜井もそういう感じで。そんな二人が出会ったからこそ、そういう気持ちを自覚したのかなと、観ていて思いました。蓉一がすごくストレートに気持ちをぶつけていたので、普通に可愛いって思いましたが(笑)、天野さんも演じていてそういう感覚はありましたか?
天野さん:
男性に対して可愛いと思う感覚をもともと持っていないので、そこは苦労しました。女性を可愛いと思う気持ちとは違って、可愛いと思っちゃいけない相手を可愛いと思わなきゃいけないっていうところが難しかったです。
渡邉さん:
桜井は、「あいつ(蓉一)は、男だぞ」って自分に言い聞かせてましたもんね。
天野さん:
うん。もともと男性を好きというわけではなかった桜井が、男性を好きになって、しかも年もだいぶ下で。すごく悩むと思うんですよ。
お二人(声を揃えて):思っても思っちゃいけない。
マイソン:
二重で悩みますよね。
天野さん:
もう二重どころか三重、四重ですね!
マイソン:
その壁を乗り越えて、お互いを好きになっていくところがドラマチックですよね。監督が女性というところで、「そのシーンはそういう風に見るんだ」と、男性目線との違いを感じる部分はありましたか?
お二人:
そればっかり(笑)。
天野さん:
もう僕達にはわからなかったです。
マイソン:
演出で何か印象に残っていることはありますか?
渡邉さん:
蓉一の頭についた葉っぱを、桜井が取るシーンですね。
天野さん:
このやりとりって、どういう意味があるんだろうと思いました。
渡邉さん:
蓉一が今まで周囲の人に何でもやってもらっていたからなんだろうなとは思ったんですけど。
マイソン:
なるほど〜、私は自然に観てました(笑)。
天野さん:
そうですか?だから女性が…。
渡邉さん:
キュンキュンするんですかね。
マイソン:
そうだと思います。観ていて、もしこれを男性の監督が撮ったら、もっとギラギラした描写になるのかなと思ったんです。
天野さん:
そうですね。
渡邉さん:
確かに。絶対、あんなに綺麗なシーンっていうか、何ていうか…。
天野さん:
いやでも、綺麗だと思います。
マイソン:
描写がすごく丁度良い感じでした。あれ以上濃厚になると、生々しくて引いちゃう人もいるかも知れないなと(笑)。
天野さん:
でも、たぶん現場のほうが、もうちょっと生々しかったかも知れません。
マイソン:
映像で観るより?
渡邉さん:
抱き合ってるところとか。
天野さん:
だから本当に監督が最終的に一番綺麗な状態にまとめ上げてくれたんだなって、できあがった作品を観て思いましたね。例えば、結構寄りも撮っていたんですが、本編では引きの画だけになっていたり。映像として、映画として、音楽ももちろん、綺麗にまとまるように、監督が本当に最後までこだわって頑張ってくれたんだと、すごく感じました。
渡邉さん:
すごくわかります。ここであのカットが入っていたら、ちょっと違って見えちゃうなと思う部分もあったり。
マイソン:
じゃあ撮り終わった時のイメージと、出来上がったものは違っていたんですね!
天野さん:
綺麗になってました。
渡邉さん:
そうですね。綺麗に磨かれたっていう感じでした。
マイソン:
やっぱりその辺は、女性監督独特の演出が活きてるんですね。
天野さん:
女性監督というか、谷本監督独特の感性ですね。
続きを読む>>>>> 1 2:男性相手、女性相手のラブシーン、何が違う?
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2018年2月24日より池袋HUMAXシネマズほかロードショー
監督:谷本佳織
原作:日高ショーコ「花は咲くか」(幻冬舎コミックス刊)
出演:渡邉剣/天野浩成/塩野瑛久/小原唯和/水石亜飛夢/本宮泰風
配給:東映ビデオ
広告代理店に務める37歳の桜井和明は、ある日撮影の仕事で訪れた邸宅に住む19歳の美大生、水川蓉一に出会う。幼い頃に両親を亡くした蓉一は、一人でいることが多く、他人に興味を示すことはほとんどなかったが、自分の絵を理解する桜井のことがだんだん気になり始め…。
公式サイト 映画批評&デート向き映画判定
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