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『ドリーム』
2018年2月2日より4K UHD/ブルーレイ&DVD発売 2月21日レンタル開始
1月17日より先行デジタル配信中
2018年1月18日部活実施 TSトーキョー社内にて鑑賞会&座談会
公式サイト 作品詳細 映画批評&デート向き映画判定
「働く女子の本音」を調査/女子397名が回答
トーキョー女子映画部/TSUTAYA【ONLY ONE】『ドリーム』女性限定試写会リポート
男性優位の時代に、知恵、才能、勇気で道を切り拓いた3人の女性の奮闘を描いた実話『ドリーム』。今回は本作にちなんで、これから働く女子大生や、既に働いていて結婚や出産など女性としての人生を考えるお年頃の20代〜30代前半の方に集まって頂き、座談会を行いました!
マイソン:まず、感想をお願いします。
Aさん:黒人女性のサクセスストーリーだと認識していたのですが、観たら想像以上に深くて、感動しちゃって、これは本当に周りにオススメしようと思いました。特にキャサリン(タラジ・P・ヘンソン)と本部長(ケビン・コスナー)との関わりが良くて、上に立つ人がああじゃないと、せっかくの実力も光らないなと思いました。
Bさん:私は2回目の鑑賞で、今回はより楽しい部分に気付けたように思います。パーティーや教会のシーンなど、皆で和気あいあいとしていて、ウィットに富んだ会話もすごく良いなと思いました。差別を扱った作品は、重たい内容のものが多いですが、この作品は音楽も軽やかだし、服装もオシャレなんですよね。そういうポップな部分が、映画としてすごく観やすくて好感が持てました。
Cさん:私は、大学のときに理系だったので、本作に登場する“リケジョ(理系女子)”に興味がありました。差別を受けている人達が頑張る話というのは知っていましたが、実際に観たら思った以上に黒人女性達が差別されているなと感じました。でも、そのなかでも実力や能力をしっかり見て、差別せず公平な目で見てくれた人がいたっていうのは、本当に良かったと思いました。
Fさん:黒人女性であるキャサリンがトイレに走っていた道を、最後は白人の方がキャサリンを探すために走り、その道を2人で戻ってきたシーンが、すごく良くて印象的でした。
Dさん:私はドロシー(オクタヴィア・スペンサー)とミッチェル(キルスティン・ダンスト)のトイレでの会話がすごく印象に残っています。なかなかわかり合えない2人で、ミッチェルのなかでも何かがちょっと変わろうとしているんだけど、上手く表現できない…。そんな2人の関わり合いのシーンに、一番グッときました。
Eさん:人種差別だけじゃなくて、男性が女性に対して「女なのに…」みたいな事も描かれていて、最終的にはあの3人が仕事を頑張るなかで、男性が女性を女として見るんじゃなくて、人間として見てくれたのがすごく良かったと思いました。
マイソン:日本でも共働きのご家庭が増えましたが、結婚したら女性がやりたいことを我慢しなければいけない風潮が未だにあります。この映画を観ていると、それぞれの人物の立場が、それぞれ自分のどこかにあてはまりますよね。
マイソン:普段お仕事をしていて、女性の方が不利だなって思うことはありますか?
Eさん:私は今IT系の企業で働いていて、営業をやっています。管理職はほぼ皆男性で、業界柄もあり、“飲みニケーション”がすごく多いです。そのくせ「女性はやっぱり家庭に入るべき」みたいなステレオタイプの人も多くて「働け、働け」って言うのにそれも求めるのかって思うと、ちょっとどうなのかなって思います。
Bさん:私は公務員で、女性の多い職場なので、働きながら子育てをしている人にも配慮しないと職場が回らないんです。でも出世していく女性は、子どものいない人や、未婚の人ばかりで、子どものいる人は子育てをしている人用のコースみたいなのが確立してしまっています。なので同じように働いていても、子育てをしている人にはあまり役割を与えなくなってしまうんですよね。出世したいならバリキャリ(バリバリのキャリアウーマン)でないといけないのかなって思います。でもそれは女性に限らず、これから介護をする人や、病気になってしまった人の場合でも同じことだと思います。
Cさん:私も公務員ですが、職種柄、女の人がすごく少ない職場なので、女性がすごく大切にされています。私の職場は、定年を迎えた再雇用の人も多いので、私くらいの歳だと孫みたいな感覚になるみたいで、よくお菓子をくれたりもします(笑)。公務員は、時間とかもきちんと決まっているので、そういった面では働きやすいし、産休とかも取れますし、結構恵まれているほうなのかなって思います。でも昨年、男性の係長に子どもが生まれて、そのときにお手伝い休暇を取ったら「上司なのに、そんなに休むの?」って言われているのを見かけました。だから、産休とか育休の問題って、女性だけじゃなくて、男性も意外と大変なんだなって思いました。
Dさん:私は今2社目の会社に勤めていますが、1社目は土木関係で、当時同期のなかで私1人が女性で、世間体のために採用された感じでした。配属される場所も、設計か、総務、庶務系になるかに限られていました。私は設計で、すごく楽しかったのですが、女性だったので現場は触らせてもらえませんでした。もちろん安全上の理由や、筋肉量の問題もありましたが、現場をやっていないと、営業をやっても通じないし、この先の昇格もないなって思いました。一応、管理職の女性はいましたが、それは私生活のすべてを諦めたバリキャリの方でした(苦笑)。
マイソン:Gさんは今大学生ですが、働く前に不安に思うことはありますか?
Gさん:今、社会人の先輩方が怖いことをおっしゃっていたので、これからドキドキです(笑)。私は大学で、女性の働き方について研究していたので、育休の話とかすごくわかるなって思いました。やっぱり育休を取るときって、女性が取るときが多いじゃないですか。だからその仕事をカバーするのも女性なことが多くて、女性同士でいざこざになることがあるって聞いたことがあります。それこそ男性がカバーできない部分だし、女性同士も大変なんだなって。まだ働いていないのに、どんどん社会人になるのが怖くなってきました(苦笑)。
マイソン:共働きや、自分のやりたいことをやる上で、パートナーに一番理解して欲しいことは、どんなことですか?
Fさん:私の場合、仕事柄24時間いつでも電話がかかってくることがあって、緊急事態があったら行かないといけないし、お盆やお正月も関係ないんですよ。だから、仕事の時間が不規則だっていうところとか、働き方っていうところに関しては理解を持って欲しいなと思います。
マイソン:今回『ドリーム』を観ていて、ご自身と通ずるところはありましたか?
Fさん:メアリー(ジャネール・モネイ)の旦那さんは、最初はメアリーのやりたいことに否定的だったけど、最終的には認めてくれたのが、すごく良いなと思いました。働く女性にとってあんな男性は、強い味方ですよね!
Eさん:私は、ここぞというときの挑戦を後押ししてくれる人が良いです。それこそメアリーの旦那さんみたいな感じで。でも相手が奧さんに家事を全部やって欲しいと思っている人だったら絶対に挑戦なんてできない気がします。だから、そういう部分もお互いにフェアだと良いなって思います。
Gさん:私は男性も一緒に仕事と家事を両立してくれる人が良いなと思います。共働きの場合、お互いに仕事もしているのに、奧さんだけ仕事プラス家事になるのは、比率がおかしいと思います。やっぱりお互いに同じだけ働いていることを理解すべきだし、男女関係ないと思うので。でも学生同士で話していても、未だに奧さんには専業主婦になって欲しいっていう男子がいるんですよ。それが衝撃的でした…。
Bさん:私は既婚者で、今の相手を選んだときは、すごくベーシックなところですが、人間扱いをしてくれる人という点を重視しました。家事も頑張れば分担できます。あと、映画に出てきたジム(マハーシャラ・アリ)は、最初はキャサリンに対して失言をしていましたが、その後に素直に謝れたじゃないですか。そうやって真剣に自分の間違いを認めて、謝れるような人が良いと思います。
Aさん:私はまだ結婚していませんが、お料理が苦手なので、料理ができる人が良いなって思います。でも相手がハードワーカーだった場合は、私が家事をしないといけないんだろうなと思うのですが…。
マイソン:でも家事ができる男子と結婚すると、できる目線で見られるから、ハードルが上がる可能性もあるかも(笑)。逆に全く家事ができない人のほうが、ちょっと頑張れば「こんなにやってくれてたんだ!」ってなるケースもありそうです。
Aさん:なるほど〜。
Dさん:うちの実家は父しか台所に立ちませんよ。手伝うのも私や姉なので、母は台所には立ったことがないです。でも父は、洗濯が苦手で、洗濯は母のほうが得意なのでやっています。本当に母は台所に立たなくて35年続いているので、大丈夫です(笑)。
一同:素敵〜!!
マイソン:この作品をどんな人にオススメしたいですか?
Gさん:女友達同士で観るのが良いなと思います。女子がどんどん上に昇っていく姿はカッコ良いし、私自身あんな風になりたいって憧れる感じで観られたので、やっぱり同世代の友達に薦めたいです。でもお母さんと観ても楽しめる気がします。
Eさん:私自身1人で観たい派なので、友達にも1人で観て欲しいです。人によって仕事観が違うので、1人でじっくり観るほうが良いと思います。男性なら、普段気付いていないところで、女性を差別してしまったりしていることもあると思うので、そういうところに気付く意味でも勉強になると思います。
Bさん:私は女子と一緒に観たいと思いますが、オススメするなら、それこそ中年の男性に観て欲しいです。管理職に就いている男性に、ケビン・コスナーが演じる上司を観てもらって、こういう上司がカッコ良いんだって思って欲しいです。
Cさん:女性だったら仕事で悩んでいる人とかに観てもらって、元気をもらって欲しいです。
Fさん:女子に薦めるなら同世代か、もうちょっと上の人に観て欲しいと思います。あとは、今の職場に、子育て世代の方もいるので、そういう方に観てもらって、映画の女性みたいに頑張れば、もっと上を目指せるんだって思って欲しいです。
仕事をする女性の環境って、職場によって本当に違いますね。今回は、皆さんにご自身の職場の環境や、これから就職する方の不安などを赤裸々に語って頂き、改めて働く女性にまつわる社会的な課題の多さも感じました。そんな現代社会で、日々一生懸命働く女性にぜひ観て欲しいのが映画『ドリーム』。本作には、それぞれタイプの違う3人の女性が登場します。彼女達を取り巻く厳しい環境、そして周囲にいる上司や家族との関わり合いは現代で働くorこれから働く皆さんにもきっと通ずる部分がありますよ。ぜひご覧ください!