REVIEW

猿の惑星/キングダム【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『猿の惑星/キングダム』フレイヤ・アーラン

REVIEW

本作の宣伝で“完全新作”と称している通り、これまでとは異なるテンションが伝わってきます。物語の舞台は、今から300年後の世界。その世界では完全に猿と人間の立場は逆転しています。猿は人間の言葉を話し、人間の姿は見えません。一見、猿は人間から離れて暮らし、猿達はのどかに過ごしています。でも、猿のノアはある日、人間の痕跡を発見します。そこから、平和な日々が一瞬にして崩れていきます。

映画『猿の惑星/キングダム』

これまでのシリーズの主人公シーザーがいないのは寂しい部分もありながら、シーザーの影響力はある形で残るストーリーとなっていて、その設定こそがストーリーをドラマチックにしています。そして、人間の本質が試されるシーンは緊張感が爆上がり。観賞中はガッツリ猿のノア達側の目線で観てしまうはずです。さまざまな種の猿が登場するものの、共通して猿達の考え方はシンプルで、ある意味純粋です。一方、人間にはやっぱり狡猾さがあり、複雑な生き物だからこそ何を考えているのかわからない怖さを、同じ人間が観ても感じます。

映画『猿の惑星/キングダム』

とにかく、145分もあっという間に終わってしまうほど見応え十分な作品です。そして、この地球は人間だけのものではないと実感すると同時に、とはいえ“猿の惑星”で良いのかといえば完全にイエスではないという、自分の中のエゴにも気づきます。本シリーズは、猿の惑星という世界で描かれる物語だからこそ人間の本性が浮き彫りになり、人間としての在り方を問う内容になっているのだなと、改めて奥深さを感じます。

デート向き映画判定

映画『猿の惑星/キングダム』

“猿の惑星”シリーズは既に前作が複数あるものの、本作は新たなストーリーの始まりといえるので、本作から初めて観ても大丈夫です。知名度もある作品なので、誘い易いのではないでしょうか。気まずくなるようなシーンはなく、迫力満点、ストーリー性は抜群で、見応えがあるので、鑑賞後の会話も弾みそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『猿の惑星/キングダム』

自分達がもし猿の惑星にいる人間だったらどうするかと思わず考えてしまうシチュエーションがたくさん出てきます。猿のノア達の立場から人間を観察するような視点も得られるので、どんな時に人間らしさが出てくるのか客観視もできるでしょう。本シリーズは、人間が主導する世界の行く末に警鐘を鳴らすストーリーでもあります。興味を持ったら、シリーズ全作制覇もトライしてみてください。

映画『猿の惑星/キングダム』フレイヤ・アーラン

『猿の惑星/キングダム』
2024年5月10日より全国公開
ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイト

© 2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.

TEXT by Myson


関連作:“猿の惑星”シリーズ

猿の惑星シリーズ一覧(公式サイト)はこちら

『猿の惑星』
映画史を物語るクリーチャー映画特集
Amazonでブルーレイを購入する Amazonプライムビデオで観る

『PLANET OF THE APES/猿の惑星』
映画史を物語るクリーチャー映画特集
Amazonでブルーレイを購入する Amazonプライムビデオで観る

『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』
REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定
Amazonでブルーレイを購入する Amazonプライムビデオで観る

『猿の惑星:新世紀(ライジング)』
REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定 映画史を物語るクリーチャー映画特集
Amazonでブルーレイを購入する Amazonプライムビデオで観る

『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』
REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定 第96回部活座談会リポート 「ついていきたい or ついていきたくないリーダーの特徴」アンケート特集 【映画を処方】世界を変える一歩の意味
Amazonでブルーレイを購入する  Amazonプライムビデオで観る

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2024年5月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『HERE 時を越えて』トム・ハンクス/ロビン・ライト HERE 時を越えて【レビュー】

映像作家としてあらゆる挑戦を行ってきたロバート・ゼメキス監督は、本作でも新たな挑戦の成果を見せてくれています…

映画『アンジェントルメン』ヘンリー・カヴィル/エイザ・ゴンザレス/アラン・リッチソン/ヘンリー・ゴールディング アンジェントルメン【レビュー】

本作は「近年機密解除された戦時中の極秘ファイルを後ろ盾にしたダミアン・ルイス著 『Churchill’s Secret Warriors: The Explosive True Story of the Special Forces Desperadoes of WWII』」を原作としており…

映画『少年と犬』高橋文哉/西野七瀬 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年3月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年3月】のアクセスランキングを発表!

映画『BETTER MAN/ベター・マン』ジョノ・デイヴィス 社会的成功が本当の幸せをもたらすとはいえない事例【映画でSEL】

昨今、ウェルビーイングという概念が広まりつつあり、社会的な成功は必ずしも幸福をもたらすとは限らないという見方も出てきました。その背景を、「自己への気づき」(SELで向上させようとするスキルの一つ)に紐づけて考えてみます。

映画『片思い世界』広瀬すず/杉咲花/清原果耶 片思い世界【レビュー】

広瀬すず、杉咲花、清原果耶がトリプル主演を務める本作は、『花束みたいな恋をした』の脚本を手掛けた坂元裕二と、土井裕泰監督が再タッグを組んだ…

映画『神は銃弾』マイカ・モンロー マイカ・モンロー【ギャラリー/出演作一覧】

1993年5月29日生まれ。アメリカ出身。

映画『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』 ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース【レビュー】

“ハッピー”や“ゲット・ラッキー”をはじめとする大ヒット曲を多数生み出し、他のビッグ・アーティストへの楽曲提供やプロデュースでも並外れた偉業を成してきたファレル・ウィリアムスの人生が初めて映画化…

映画『ANORA アノーラ』ユーリー・ボリソフ ユーリー・ボリソフ【ギャラリー/出演作一覧】

1992年12月8日生まれ。ロシア出身。

映画『片思い世界』公開直前イベント、広瀬すず/杉咲花/清原果耶/土井裕泰監督 存在するということに対しての肯定を、ここまで実験的に描いた物語もなかなかない『片思い世界』公開イベントに広瀬すず、杉咲花、清原果耶が揃って登壇

劇場公開を目前に控え、本作でトリプル主演を務めた、広瀬すず、杉咲花、清原果耶と、土井裕泰監督が舞台挨拶に登壇しました。

映画『おいしくて泣くとき』長尾謙杜/當真あみ おいしくて泣くとき【レビュー】

タイトルを聞いただけで泣いちゃいそうな作品だと予想できるので、逆に泣かないぞと…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『キングダム 大将軍の帰還』山﨑賢人/吉沢亮/橋本環奈/清野菜名/吉川晃司/小栗旬/大沢たかお 映画好きが選んだ2024邦画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の邦画ベストを選んでいただきました。2024年の邦画ベストはどの作品になったのでしょうか?

映画『セトウツミ』池松壮亮/菅田将暉 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.4

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

映画『オッペンハイマー』キリアン・マーフィー 映画好きが選んだ2024洋画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の洋画ベストを選んでいただきました。2024年の洋画ベストに輝いたのはどの作品でしょうか!?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『BETTER MAN/ベター・マン』ジョノ・デイヴィス
  2. 【映画でSEL】森林の中で穏やかな表情で立つ女性
  3. 映画『風たちの学校』

REVIEW

  1. 映画『HERE 時を越えて』トム・ハンクス/ロビン・ライト
  2. 映画『アンジェントルメン』ヘンリー・カヴィル/エイザ・ゴンザレス/アラン・リッチソン/ヘンリー・ゴールディング
  3. 映画『少年と犬』高橋文哉/西野七瀬
  4. 映画『片思い世界』広瀬すず/杉咲花/清原果耶
  5. 映画『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』

PRESENT

  1. 中国ドラマ『柳舟恋記(りゅうしゅうれんき)〜皇子とかりそめの花嫁〜』QUOカード
  2. 中国ドラマ『北月と紫晴〜流光に舞う偽りの王妃〜』オリジナルQUOカード
  3. 映画『ガール・ウィズ・ニードル』ヴィク・カーメン
PAGE TOP