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2017年9月9日より全国公開
東宝、ギャガ
公式サイト
 まず、役所広司の演技が本当に見事でしびれました。こんなに複雑な役を演じきられる人は他にいないのではないでしょうか。ある殺人事件の容疑者として逮捕された三隅は、善人に見える時もあれば、悪人に見える時もあり、さらに空っぽな人間にも見えます。そのつかみどころのないキャラクターがとても恐ろしくて、でも魅力的で、そんな彼の本質を知りたくて、危険なのに近づいてしまう、彼の周囲のキャラクターの心情もすごくリアルに体感できます。そして、ストーリーも秀逸。なぜ“三度目の殺人”なのかを語る結末に、圧倒されました。ネタバレになるので詳細は言えませんが、人間の愚かさ、さらにその愚かさに気付いていないという愚かさに気付かされて、ハッとします。これは誰にとっても、決して他人事とは言えない物語です。多くの人に観て欲しい傑作。 |
 とてもシリアスなストーリーで、デートの雰囲気を盛り上げるような内容ではありませんが、とても見応えがあり、観終わった後に残るものも大きいので、語り甲斐があります。でも、ある程度２人の理解力が同じでないと、観た後の感覚を共有できないかも知れません。映画や本に多く触れている人は大丈夫だと思いますが、あまりに理解度が低いと、幻滅する、させる可能性があるので、その点で大丈夫そうな相手を誘いましょう。 |
 推理的に理解する意外に、人間の本質を探るという観方が大きいと思える作品なので、キッズにはまだ難しいように思います。「真相はこうだったら良いのに」と前向きに物事を捉えようとする人間心理に応えてくれない冷たさを突きつけてくるストーリーですが、考えさせられる深いテーマが描かれています。中学生以上なら興味があれば観てみて、難しかったらまた大人になってから観直して欲しいと思います。 |
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©2017『三度目の殺人』製作委員会
2017.8.7 TEXT by Myson
