映画『三度目の殺人』完成披露舞台挨拶、福山雅治、役所広司、広瀬すず、吉田鋼太郎、斉藤由貴、満島真之介、是枝裕和監督
豪華キャスト出演で贈る是枝裕和監督最新作『三度目の殺人』の完成披露試写会に、キャスト、監督が一同に登壇。是枝監督は「これだけのキャストと一緒に映画が作れたことをまず誇りに思います。ありがとうございました!撮影が終わって、自分のなかではそんなに時間が経っていないので、そのあいだに映画を完成させて、もう自分のもとを飛び立っていってしまうのかと思うと、もう少し手元に置いておきたかったなと思うんですけど、非常に自分のなかでは納得度の高い作品です。新しいチャレンジをしたからこそかも知れませんが、納得した作品が出来上がりました。皆さんのなかでもっと豊かに大きく広げていって頂ければ良いなと思います」と挨拶しました。そして、本作は是枝監督作としては2回目となる、ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門での出品が決まりました。1995年の第52回ヴェネチア国際映画祭で、監督デビュー作にして金のオゼッラ賞を受賞した『幻の光』(1995)以来、22年ぶりとなる出品について、是枝監督は「やっぱり1本目の作品で初めて訪れたのがヴェネチアだったので、自分のなかではいろんな映画祭があるなかで、特別な映画祭なんです。自分を世に出してくれた恩もありますし、22年ぶりということで、随分長く(映画を)作ってきたなあと思います。新しい作品を持って、その地を訪れることができて、自分の成長した姿を少しヴェネチアの皆さんに見せられるかなと思っています」と語りました。『海街diary』で是枝監督作に出演した広瀬すずは、「監督って本当にすごいな〜と。(出品が決まったと知った時は)率直に“ウワッ!”って言っちゃったんですけど。でも『海街diary』でカンヌ映画祭に行かせてもらって、またこうして一緒に作品をやらせて頂いて、ヴェネチアって聞いて、なんかいろんなものが想像できなさ過ぎて、よくわからないですけど(笑)。でもこの作品がどんどん世界を超えていろんな人に届くんだなと思うと、ゾワゾワします」と本当に感動している様子でした。
2回目の是枝監督作出演について福山は「いや〜やっぱり、なかなかどう説明して良いか、じっくり時間をかけてお話したい部分はあるんですけど、驚きの連続なんですよね。『そして父になる』では子ども達に台本を渡さず、その当日にセリフを伝えて、“子どもが台本と違うことを言っても、子どもについていってください”と言われて、すごいな、でも楽しいなと思って。今回は今回で監督自身もすごくクリエイティブの森のなかというか、本人のああでもないこうでもないという葛藤を間近で見ながらハラハラ、ワクワクしていました。仕上がったものを観て、さすがという感想です。すべてが予定調和じゃないというか、驚きの連続で、鋭さが増したように思いました」と、是枝監督との再タッグに感銘を受けていました。次に、役所広司は三隅という役をどう演じたのかと聞かれましたが、ネタバレしちゃうからと多くは語らず、弁護士チーム3人と一緒にラーメンを食べに行けなかったことを悔やんでいました(笑)。役所広司が演じた容疑者は、多様性のあるキャラクターで、こんなに難しい役をこれほど見事に演じられるなんて、本当にすごい役者さんだと思いました。鳥肌のたつ演技を本編でぜひご覧ください。
そして主演の福山雅治について、共演した吉田が「福山さんと共演させて頂くのは初めてで、一番最初にお会いした時に本読みから始めたんですが、福山さんがちょっと嫌な奴だなと思ったんです」と語り始めると、福山は「え?それは役じゃなくて、僕がってことですか?」と聞き、続けて吉田は「そうそうそう。目を合わせてくれなかったのが一つ。それと一言も口をきいてくれなかったんですよ。挨拶はしてくれたんですけど、やっぱりスターだからこういう人なんだと思ったんです。でも、その後の福山さんを見ていて、おそらく緊張なさっていたんだなと思いました」と告白(笑)。これに福山が「今さらこんなことを言うのもどうかと思うし、もう50も近くなってこんなことを言うのもなんですが、基本、人見知りなんですよ」と釈明すると、吉田も「そうですよね」と同調。福山は続けて「人見知りっていうのがどんどん似合わない年齢になってきているんですけど、僕のなかで鋼太郎さんも本当は人見知りなんじゃないかなって思ってたんです。人見知りシンクロっていうか。人見知り同士が会っちゃったんですね」と初対面時の真相を明かしました。私も人見知りなので、この“人見知りあるある”わかる〜って思いながら聞いていました(笑)。一方明るさ満点の満島は、福山、吉田と弁護士チームとして共演した事について「こういう間に挟まれておりまして(笑)。本当に楽しかったんです。タクシーの後部座席に、この濃い3人が座っているシーンがあるんですけど、それだけでたまらない気持ちになりました。横見ると福山さん、(もう一方の)横見ると鋼太郎さんで、どうやって息をすれば良いかわからなくて」とすごく嬉しそうに話していると、福山が「皆思っていると思うけど、あなたが一番濃いよ」とツッコミ。会場が笑いに包まれました。
次に、広瀬すずとの共演について福山は、「事前に是枝監督やリリーさん(リリー・フランキー)から、広瀬すずちゃんに会うととにかく甘酸っぱい気持ちになると聞いていました。カメラマンさんとかも皆言うんですよね。ただ、まあね、甘酸っぱくなるっていっても、他にも綺麗な人はいっぱいいるしって思ってたんですけど、ま〜甘酸っぱくなるんですよね」と綺麗なオチを披露(笑)。続いて意見を振られた役所が「僕はですね、斉藤さんにも甘酸っぱい気持ちになりました」と見事な二段階オチに着地させて、会場が沸きました。
こんなに和気あいあいとした舞台挨拶でしたが、本編は本当にすごく緊迫感があり、ズシッとくるテーマが描かれています。必見の作品ですので、お見逃しなく!
完成披露試写会舞台挨拶:2017年7月31日取材 TEXT by Myson
『三度目の殺人』
2017年9月9日より全国公開
公式サイト
©2017『三度目の殺人』製作委員会
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