2014年9月20日より全国公開
松竹
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本作は、安政七年(1860年)、江戸城桜田門外で井伊直弼が暗殺されたとき、井伊直弼の警護にあたっていた金吾と、刺客の一人だった直吉のその後の人生を描いています。とはいえ、本作は男性にだけスポットが当たっているストーリーではなく、その影で男性を支える女性にもスポットが当たっている点で男女ともに共感できる内容になっています。 主君直弼を守れなかった金吾は切腹してはいけないと言われ、13年間仇討ちのために生かされることになりますが、自分の命よりも武士としてのプライドを重んじる当時の価値観からすると、切腹できない辛さは計り知れないでんしょうね。さらに仇討ちしなければこの呪縛から解放されないので、人を殺したくなくても殺さなくてはいけないという苦悩がずっと続きます。そして、そんな夫の運命に付きそうと決意した妻も同じように辛い年月を過ごします。現代に生きる私たちから考えると想像できませんが、観ているだけでも本当に辛いものがありました。ただ本作はそんな武士道の辛い部分も描きつつ、日本人ならば誇りに思える部分も描いていて、こういう精神は引き継がれなければいけないなと実感しました。男性を支える女性のひたむきさも見習うべきものがあります。若い方向けの作品のイメージはないですが、ぜひ老若問わず多くの女子にも観て欲しい1作です。 |
古き良き日本の男女関係が描かれているので、カップルで観るのもオススメです。現代では考えられないような辛さを背負った夫婦ですが、彼らの精神力とお互いを尊ぶ気持ちは見習うべきものがあります。この価値観を受け入れるかどうかは個々の自由ですが、こういう男女のあり方もステキなので、ぜひ真剣交際をしているカップルや夫婦のデートで観てください。 |
時代劇なので言葉が少々難しくキッズにはまだわかりづらいかも知れませんが、中学生以上なら日本史に興味を持つきっかけに観ると良いでしょう。歴史的事件を知るだけでなく、武士道、仇討ち、切腹…という古き日本の文化や、事件の背景で苦しんでいた人たちの人生を知り、自分がもし当時の人間として生きていたらどうするかなど考えながら観るとおもしろいと思います。 |
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©2014映画「柘榴坂の仇討」製作委員会
2014.9.10 TEXT by Myson