2014年6月13日より全国公開
パラマウント ピクチャーズ ジャパン
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![]() その壮大なスケールに圧倒されたのはもちろんですが、私が一番引き込まれたのはやっぱり物語のテーマです。アダムとイヴがこの世に誕生させた3人の息子、そのあと生き残った二人の息子の血筋をそれぞれに受け継ぐ子孫でまず価値観が異なります。神の意志に忠実に従おうとするノア、神は人間を見捨てたとして人間同士で争い血を流そうとも欲のままに人間の意志で生きようとするトバル・カイン。二人のリーダーの考え方は正反対ではあり、一見ノアの方が完全に正しいのかと思いきや、カインの言い分にも否定できない箇所があります。もちろん殺し合いや強欲などについては賛同できませんが、神の意志に忠実にあろうとするがために翻弄され狂気に陥っていくノアの姿を見て彼が本当に正しいのかどうかこちらも考えさせられる場面もありました。1度この世界を破壊して汚れのないモノたちだけで新しい世界を作り直そうという神の計画のなかに“人間”は含まれているのか。大洪水のなか動物たちのつがいを乗せた舟で、ノアたちは自分たち人間を残すのか命を絶つのか、ノアや家族たちの葛藤や、最後の決断に心が打たれます。何度観ても発見がありそうな深い深いテーマ。ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー、アンソニー・ホプキンス、エマ・ワトソン、ローガン・ラーマンなど役者の演技もすごく見応えがあり、本作のスケールに負けない演技をみせていました。個人的には特にローガン・ラーマンの演技が印象的で、ピュアで不安定な役を見事に演じていました。ぜひ本作は大きなスクリーン、そしてできればドルビーアトモス対応の劇場で臨場感も含め楽しんでください。 |
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2014.5.14 TEXT by Myson