こういう運命だから、こういう使命を背負っているから、そう堅く信じることはある意味素晴らしいと思います。でも、それが本当に正しいのかどうかを的確に教えてくれる人、絶対的に正しい答えを知る人はきっとどこにもいません。物事によって、立場によって、正しいか正しくないかは判断が変わってきます。今回はどんなときにも選択肢が存在すると感じさせる作品をご紹介します。
ツイートノア 約束の舟
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<ノアの選択肢> |
神のお告げは絶対だと信じて、何よりも使命を第一優先に行動するノア。堕落した人間は新しい世界には不要だと考えているノアでしたが、物事はそんなに簡単に進めるはずがありません。神から与えられた使命を果たそうとするノア、子どもたちを守りたい妻ナーマ、これからの人生を捨てきれないでいる子どもたち、そして神などいないと思っているトバル・カイン。このまま、新しい世界に人間を残さないのが正しいのか否か、ノアは選択を迫られます。神のお告げは、本当に人間も排除することなのか?全てはノアの判断にかかっていますが、ノアが人間の何を見るのかがキーになります。神は絶対という状況のなかでも、選択肢はあるのではと思わせる内容です。神がいるのかいないのかという議論は別として、神の決断といって終わる方が楽なのかも知れないですが、結局は決断するのは人間なんだと思います。 |
THE HOST ザ・ホスト 美しき侵略者
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<地球で生きる者たちの選択肢> |
自分たちが生き残るために地球にやってきたソウルと、ソウルの手から逃れ生き残ろうとする人間。戦うしかないように思える状況ですが、1つの身体でソウルと共存するメラニーが出てきたことで、両方の立場を知ることになります。侵略者ではありつつも争いを好まず平和的なソウルは、獰猛なエイリアンでもありません。また人間も、ソウルに寄生されつつもメラニーの意識が残る彼女を簡単に殺すことはできません。戦ってどちらかが生き残るしかないのか、別の選択肢があるかどうかを見ていないだけの状況から、メラニーが現れたことで彼女のなかにいるそれぞれの他者の視点が加わることで解決策が見えてきます。視点や考え方に幅を持つと、選択肢が増えますね。 |
自分たちが生き残るために地球にやってきたソウルと、ソウルの手から逃れ生き残ろうとする人間。戦うしかないように思える状況ですが、1つの身体でソウルと共存するメラニーが出てきたことで、両方の立場を知ることになります。侵略者ではありつつも争いを好まず平和的なソウルは、獰猛なエイリアンでもありません。また人間も、ソウルに寄生されつつもメラニーの意識が残る彼女を簡単に殺すことはできません。戦ってどちらかが生き残るしかないのか、別の選択肢があるかどうかを見ていないだけの状況から、メラニーが現れたことで彼女のなかにいるそれぞれの他者の視点が加わることで解決策が見えてきます。視点や考え方に幅を持つと、選択肢が増えますね。
2014.6.9 TEXT by Myson