2014年1月18日より全国公開/PG-12
アルバトロス・フィルム
公式サイト 予告編
シリーズ全体を通してですが、会話劇としての完成度がすごいというのを改めて感じました。このシリーズは二人が持つ価値観や哲学思考をとことん語りあうシーンが多いのですが、あまりに自然に見えるシーンはアドリブではなく、綿密に考えられたセリフを覚えて長回ししているんです。今作では冒頭の車中のシーンが14分もあったそうで、(プロダクション・ノートによると)ジュリー・デルピーが「ハッキリ言ってあれは拷問よ」と語っているほどです。本シリーズはリチャード・リンクレイター監督と、主演のイーサン・ホーク、ジュリー・デルピーが共同で脚本を書いていて、彼ら自身の言葉で出来ている作品だからこそ、よりリアルなシーンに見えるんでしょうね。 ネタバレするので主人公2人が今作でどうなっているかは書かないでおきますが、どんなに愛する2人でも年を重ねると皆こういう感じになるんだと、良くも悪くも生々しく描かれています。でも、どっちに転ぶかはやっぱり2人次第で…というところに希望も見えるのが憎いところ。3部作のなかで一番シュールですが、一番笑えて、後半のシーンの言い合いは男性らしさ、女性らしさを如実に表現しています。 40代以上の方は等身大で楽しめるし、若い人にとっては将来像をシミュレーションできますので、ぜひいろいろな方に観て欲しいと思います。ほんとこのシリーズ三部作はラブストーリーの傑作です! |
ロマンチックなシーンもあるのですが、シリーズ三部作のなかでは男女の一番生々しい生態を描いているとも言え、カップルや特に夫婦で観ると笑えるカップル、笑えないカップルの両極端になりそうです。逆に2人の関係性が良好かどうかを占うために敢えて一緒に観て、2人とも笑えたら「関係は良好」、片方でも笑えなかったら「問題あり」と判定してみても良いでしょう。でも男女の関係を客観視するのにとても参考になるシーンが多いので、恐れずに観て欲しいと思います(笑)。 |
1995年の第1作目から、9年ごとに作られた三部作です。キッズにはまだまだ難しい内容なので、恋愛を経験するお年頃になってから観てもらうとして、ティーンは本作を観て「恋愛って何だろう」と考えてみるのも良いと思います。ぜひDVDで1作目から観てください。1作目は主人公たちもまだ学生なので、感覚がわかると思います。あの2人がどうなるのか、続編を2作みて、男女関係の変化をお勉強してみてください。キッズやティーンの皆さんにはまだまだ希望を持って恋愛して欲しいですが、恋愛のあらゆる側面も知っておくときっと役に立ちますよ。 |
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2013.12.7 TEXT by Myson