2014年8月16日より全国公開
松竹
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紡木たくの原作コミックを『ソラニン』『陽だまりの彼女』の三木孝浩監督で映画化した本作。主人公の和希役を能年玲奈、その相手となる春山役を登坂広臣(EXILE TRIBE、三代目J Soul Brothers)、和希の母親役を木村佳乃が演じています。原作は読んだことがなかったので、恋愛重視の作品だと思っていましたが、意外と親子関係の部分が色濃く描かれていたので、興味深く最後まで観ることができました。 和希は愛情に飢えていることを母親に上手く表現できず、一方母親も突っかかってくる娘にどうしたら良いのかわからない状態という複雑な親子関係が描かれていました。中学生くらいになるとだんだん大人になるけど、やっぱり子どもは親からの愛情を必要としているし、言わなくてもわかるなんてことはたとえ母娘でもないんだと思いました。そんな親子関係のわだかまりをなくす鍵となるのが和希と春山の恋愛なのですが、春山は暴走族に所属しているし、決して積極的に和希と母親の間を取り持つわけではありません。でも和希が春山と出会うことで自然と和希の心に変化がもたらされていくのでその過程にも注目しながら観てください。 製作報告会見時に監督が「この映画を青春ラブストーリーという側面から観る方が多いかも知れませんが、恋愛というより孤独な魂と魂が出会って、そのなかでお互いの愛を知って自分が求めていたものを見出していく、そして親子の愛情と向き合っていくという物語なんです」と語っていたように、本作はラブストーリーの部分も親子のドラマの部分も楽しめる作品です。原作をリアルタイムで知っていた世代が、大人になった今本作を観るのも良いと思いますし、原作を知らない和希(14歳)や春山と同じ世代の子たちが観ても、何か感じるものがある作品です。ぜひ観てみてください。 |
考えさせられる部分もありますが爽やかな作品なので、きっとカップルで楽しめるでしょう。和希と春山に近い世代のカップルは、主人公2人がお互いに支え合っていく様子を観て、自分たちが普段どんなことを影響し合い、支えあっているのか考えてみるのもアリだと思います。映画ほどドラマチックではなかったとしても、支えになるかならないかは、相手を見極める判断基準になるかも知れません。大人のカップルは、自分たちが中高生時代の頃の感情を思い出しつつ、大人になった今の目線と比べながら観てみてください。観終わったらぜひ2人で学生時代のエピソードを語り合うと、さらに盛り上がると思います。 |
キッズも観られますが、できれば中学生になってから観た方がより共感ポイントが増えて楽しめると思います。中学生以上のティーンは、和希と春山を中心に観ても良いのですが、親子関係を中心に観ることをオススメします。自分自身を和希に当てはめて観ることで、少しだけ親の気持ちが理解できると思いますよ。あとは今まず観て、大人になってからもう一度観るのもオススメです。きっと観る視点が変わるので、現段階での感想はきちんと覚えておいてください。 |
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©2014『ホットロード』製作委員会 ©紡木たく/集英社
2014.6.23 TEXT by Shamy