2014年9月13日より全国公開
ワーナー・ブラザース映画
公式サイト
前作『京都大火編』で既にこの二部作の質の高さは実感していましたが、今作は二部作の後編にふさわしく、剣と剣、心と心のぶつかり合いが凄まじさを増し、観終わった後の充実感がすごくありました。多額の製作費をかけているからこれだけのモノを創れたというのでは収まらない、出演者、スタッフの気迫が感じられ、観ているこちらまで力みながら観てしまうくらいエネルギーを感じる作品でした。人気アニメの実写化作品は、良くも悪くも一定のイメージがあると思いますが、本作は原作の人気におんぶにだっこというのではなく、映画版独特の世界観で勝負していると言っても良いのではないでしょうか。前作でもアクションシーンの質の高さに驚きましたが、今作ではよりスケールアップしていて、ハリウッド映画や中国のアクション映画を観ているような感覚でした。撮影技術による部分もあるとは思いますが、俳優の体力や身体能力にかかる部分も相当あったのではないかと思います。また今作ではどのキャラクターにもドラマ性の強いシーンが増えていたため、それぞれの演技力も実感することができました。本シリーズで剣心を演じる佐藤健は本当にかっこいいですが、凄い形相になるシーンも多々あり、ただのイケメン俳優の域を越えて、見た目以上の人間味や男らしさを本作で体現できたところが一番の魅力アップだと思います。その他の俳優たちも含め、今作は本当に俳優達の渾身の演技も見どころです。 原作は読んでいないので、どの程度オリジナルに忠実なストーリーなのかはわかりませんが、ありがちなパターンでは主人公が一番強いという流れになりそうなところを安易な展開にしていないのも、この作品が今作で訴えている大事なメッセージを貫いているようで共感できます。剣心が志々雄真実に勝つために必要なものは一体何なのか。それは時代を問わず全人類に共通するとてもシンプルで当たり前のことながら、改めて意識させられるとパワーを与えてくれる強いメッセージとなって、観る者の心に響きます。 |
デートで観るのにもオススメです。二部作なので前作からの流れがわかっていた方がより楽しめるため、一気に2作観るか、前作と今作で二回映画デートをするのも良いでしょう。ラブストーリーも含まれますが、露骨に気持ちを出さずに心で相手のことを本当に大事に思っているのが伝わってくるロマンチックさがあるので、友達以上恋人未満の人や、お互い奥手なカップルにはより共感できると思います。原作ファンも、原作について知らない人でもどちらでも楽しめるので、その辺は気にせずに誘うと良いでしょう。 |
キッズでもティーンでも楽しめる作品ですが、小学校低学年以下のキッズにとっては少々怖いと思えるシーンがあります。高学年以上のキッズは、激しいアクションシーンもあることを理解した上で観るならば良いでしょう。ストーリーはとても大事なメッセージを含んでいて、主人公の剣心を本当の意味で強くさせるモノは何なのか、そして人を倒す時に殺すことはしない剣心のポリシーや、それを貫くことで得られる人間としての誇りなどについても考えながら観て、お友だちや家族と話し合ってみると有意義だと思います。 |
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©和月伸宏/集英社 ©2014「るろうに剣心 京都大火/伝説の最期」製作委員会
2014.9.17 TEXT by Myson