■ミッション:インポッシブル
■M:I-2
■M:i:III
■ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル
●シリーズ各作品は、監督ごとの色を楽しめ!
●全作の共通項
●愛に生きるスパイ、イーサン・ハント!恋愛遍歴を経て成長する男イーサンの変化に注目
●“トム・クルーズはなぜ第一線で活躍して来れたのか”勝手に分析!
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★トム・クルーズ、ポーラ・パットン、ブラッド・バード監督来日リポート
2011年12月16日、本シリーズ第4作『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』が公開!この特集では、公開を記念してシリーズ通してのおもしろさと前作のおさらいをしながら、女子的見どころやトム・クルーズの魅力についてご紹介します。
『ミッション:インポッシブル』 『M:I-2』『M:i:III』 『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』
監督:ブライアン・デ・パルマ
出演:トム・クルーズ/ジョン・ヴォイト/エマニュエル・ベアール/ジャン・レノ/ヴィング・レイムス
パラマウント ジャパン
ブルーレイ:2,980円(税込)発売中
TM & COPYRIGHT ©1996 BY PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved. MISSION:IMPOSSIBLE(TM) is a trademark of Paramount Pictures. All Rights Reserved. TM, ® & Copyright ©2010 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.
<あらすじ>
内部の裏切り者を証拠とともに捉えろという指令を受け、プラハに潜入した極秘スパイ組織IMFのエージェント、イーサン・ハントと仲間たち。しかし作戦は敵側に筒抜けで、任務中にメンバーが次々と命を落とす。何とか逃げ延びたイーサン・ハントだけが生き残るが、今度は何者かによって自分が裏切り者に仕立て上げられようとしていることを知ったイーサンは、真の裏切り者を捜すために自ら危険なミッションに挑む。
本作の舞台である東欧と、ブライアン・デ・パルマ監督が描く少しダークでクラシックなムードが独特な風合いを醸しだし、アクション映画というよりもサスペンスという印象を強く残す。
イーサン・ハントが変装後に顔のマスクを剥がすシーンは、本シリーズの看板となった。
本シリーズの元となる「スパイ大作戦」のキャラクターであるジム・フェルプスが登場し、本作ではジョン・ヴォイトが演じている。また本作の段階では本部から指令を受けているのはジム・フェルプス。
劇場公開当時、劇場で観たときのあの衝撃と充実感は今でも憶えています。宙づりシーンや、変装のマスクを剥ぐシーンにワクワクしました。
そして2011年4作目の公開の前に、改めて、シーズン3作を通して観ると、イーサンが若いし、初々しい!ブルーレイの特典映像で知ったのですが、あの有名な宙づりシーンは機械を使わずに、裏側で綱を持つスタッフの感覚で床ギリギリのところで止めるという作業で撮ったとのこと。水槽が爆破するシーンは、1秒でも逃げるタイミングを間違えればトムの身がとても危険という状況で、1発勝負で行ったそうです。今なら撮影技術や機材などもいろいろありそうですが、当時の状況下で作ったと考えると、シーンの斬新さだけでなく、挑戦的で画期的な要素が満載の映画だったことを実感します。
監督:ジョン・ウー
出演:トム・クルーズ/ダグレイ・スコット/サンディ・ニュートン/ヴィング・レイムス
パラマウント ジャパン
ブルーレイ:2,980円(税込)発売中
TM & COPYRIGHT ©2000 BY PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved. MISSION:IMPOSSIBLE(TM) is a trademark of Paramount Pictures. All Rights Reserved.TM, ®& Copyright © 2010 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.
<あらすじ>
特効薬と共に殺人ウィルス“キメラ”を開発した科学者がその薬を運ぼうと乗った飛行機内で何者かに殺された。今まで彼の護衛をしていたイーサン・ハントは、彼が自分が護衛をしていないのに飛行機に乗ったことを不可解に思い、自分の影武者として任務を実行したことがある元エージェントがこの事件に絡んでいるとにらむ。そして、本部からはその犯人を追うために一流の女スリ、ナイア・ホールとチームを組むように言われる。だがIMFが彼女を指名したのには、別の理由があった。
ジョン・ウー監督作だけあって、アクションの見せ場が豊富。冒頭ではロック・クライミング、そして崖すれすれのカーアクション、そして中盤の盛り上がりではガン・アクション、クライマックスではバイクを使い、最後はナイフを使った接近戦。アクションの立ち回りも華麗でかっこいい。ジョン・ウー監督作ではお約束の鳩ももちろん登場。
恋愛色がかなり強くなっている。男臭いアクションシーンが多い反面、ロマンチックなシーンも多数。
●映画批評
シリーズ2作目にして、全然トーンが変わったことに驚きました。シリーズとしての見せ方から想像して、ジョン・ウーを起用したという意外性が逆に楽しめました。ここまで雰囲気が変わっても、同じシリーズである軸が残っているのは、やっぱりトムという役者の色が濃いからでしょうね。きっと、彼が主演でなければ別物になってしまったと思います。良くも悪くも何を観ても「トム・クルーズ」と思う人もいるかも知れませんが、これはトムが主演級の役者として第一線でいられる強みだと私は思います。また、ジョン・ウーだけあってアクション・シーンはかなり見応えがあります。さらに、2011年4作目の公開を前におさらい観賞して思いましたが、こんなにラブ・ストーリーが色濃いということを忘れていました。アクションとのメリハリとして、ロマンチックさがスパイスになっています。
監督:J・J・エイブラムス
出演:トム・クルーズ/フィリップ・シーモア・ホフマン/ヴィング・レイムス/ビリー・クラダップ/ミシェル・モナハン/ジョナサン・リス=マイヤーズ/ケリー・ラッセル/マギー・Q/サイモン・ペッグ/ローレンス・フィッシュバーン
パラマウント ジャパン
ブルーレイ:2,980円(税込)発売中
Copyright ©2006 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.TM, ®& Copyright © 2011 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.
<あらすじ>
第一線から退き、諜報機関IMFの教官になったイーサン・ハント。プライベートでは本来の職業のことは秘密にし、婚約者ジュリアと平和に暮らしていた。だが教え子が諜報活動中にターゲットであるオーウェンに捉えられたと聞き、彼女を救うために現役に復帰したイーサン。だが、教え子が送られた任務は内部の上層部の者の陰謀かもしれないという事実を察知したイーサンは、まずはオーウェンを捉えるが、内部の裏切り者によって彼は解放されてしまう。そして、逆にイーサンの婚約者ジュリアを誘拐されてしまい…。
顔がフィリップ・シーモア・ホフマンで、声がトム・クルーズというシーンなど、本シリーズのお家芸「変装」のメイキングとも言えるシーンがあり、「変装マスクのつくり方」と、「変装用の声の加工方法」の種明かしがある。
スピード感と、ハラハラドキドキのある展開でありながら、青春ものから恋愛ものまで手がけてきたJ・J・エイブラムスだけあって、本作は恋愛色が強い。スパイよりも結婚を選ぼうとするイーサンの窮地を描くことで、男としてのイーサンのドラマになっている。
ハリウッド全盛期が終わり、映画史において新世代とも言える映像世界を打ち出してきたJ・J・エイブラムスが監督ということで、一気に現代的な演出に変わり、これまた新鮮でした。遊び心もあり、前作に対するオマージュも感じさせるシーンが多々あるので、そのあたりもシリーズのファンとしては楽しめます。例えば、本シリーズの要である、イーサンの変装の過程を明かすシーン。その手法そのものが近未来の最新技術を感じさせるもので、ワクワクしました。そして、本作でも宙づりから地面すれすれでストップするシーンが登場。シリーズをたどるなかで、お馴染みの設定でありつつ、見せ方を変えて、スケール・アップしているということを実感します。ここまでの3作の監督は全くタイプが違いますが、うまくバトン・タッチされているように思えて、1作ずつで成立しつつ、ちゃんとシリーズとしての役割も果たしているように思えます。
2011年12月16日(金)全国公開
2012年4月27日リリース
ブルーレイ+DVDセット
2012年4月27日発売
発売元:パラマウント ジャパン
価格:4,935円(税込)
公式サイト
監督:ブラッド・バード
出演:トム・クルーズ/ジェレミー・レナー/ポーラ・パットン/サイモン・ペッグ/ジョシュ・ホロウェイ/ヴィング・レイムス/レア・セドゥー
TM,® & Copyright © 2012 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.
<あらすじ>
ロシアのクレムリンで発生した爆破事件の容疑がIMF(極秘スパイ組織・不可能作戦班)のイーサン・ハントとそのチームにかけられてしまった。米大統領は政府が事件に関与した疑いを避けるため、「ゴースト・プロトコル(架空任務)」を発令し、 イーサンチームはIMFから登録を抹消されてしまう。イーサンたちは国や組織という後ろ盾がないまま、 「クレムリン爆破の黒幕を追い、さらなる核テロを未然に防ぐ」というミッションの遂行を余儀なくされる。イーサンたちは、綿密に張り巡らされた罠と裏切りを見抜き、黒幕を暴くことができるのか。
『アイアン・ジャイアント』でその名を馳せ、『Mr.インクレディブル』『レミーのおいしいレストラン』ではアカデミー賞長編アニメーション映画賞を受賞したブラッド・バード監督が起用され、今までとは違った作風が光る。今回は特にユーモアのあるシーンが多数。ガジェットにまつわるシーンにもくすりと笑える仕掛けがあったり、前作までの先入観をうまく利用した、おもしろさがある。予算はシリーズ内で最高と言えるほどはなかったらしいが、描写のうまさか、スケールは最大と言っても過言ではない。
すごくおもしろかった!シリーズものってここまで続くと段々失速してくるイメージですが、アニメ界の名監督ブラッド・バードを迎えて製作した本作は、今までの本シリーズの良さを活かしながら、新鮮な部分も加わって、とても楽しい内容でした。例えば、本作のようにクールなスパイ映画で登場するスパイ・グッズは完璧だろうと思われるけれど、その見せ方にも今回はユーモアが加わって、さらにスリルが増したり(ネタバレするので具体的には書きませんが)、観ている方も「そりゃ、そういうこともあるよな」と思えてリアルさが増したり、うまいな〜と思いました。お馴染みの「5秒経ったら、このメッセージは消滅する」のシーンも今までとは違った見せ方で、そこに潜んだ作り手のいたずら心が見えて楽しいです。
1作目から考えると、チームのメンバーもかなりフレンドリーになっていて、親近感が湧きました。今までのような謎めいたクールなチームメンバーももちろんかっこよかったですが、今回のようなメンバーとのチームワークも観ていて爽快です。お気に入りは前作から登場していて、試験に受かって今回から現場に出動するようになったベンジー(サイモン・ペック)です。彼が主要キャラとして加わることで、緊張ばかりじゃなく笑いどころもあって、本シリーズの他作品と違った味を出していて、新しさを感じます。一方で、ジェレミー・レナーが演じるブラントがいることで、その謎めいた行動に緊張感があり、物語がスリリングに展開していくので、キャラクターのバランスが絶妙に活かされていると思います。
ポーラ・パットン 役名:ジェーン・カーター |
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レア・セドゥー 役名:サビーヌ・モロー |
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本作で活躍するのはイーサン・ハントだけではありません。2人の凄腕女性が激しいアクション・シーンを繰り広げます。恋人を殺され復讐心を持っている女性エージェント、ジェーンと、プロの殺し屋サビーヌの執念の格闘はどちらが勝つのか。このシーンも見ものです。 |
■映画批評&デート向き映画判定
■トム・クルーズ、ポーラ・パットン、ブラッド・バード監督来日
『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』トップへ
<イーサンの変わらぬチームメイト>
トム・クルーズ以外にシリーズ通して出演しているヴィング・レイムス。裏切りや罠だらけの任務で、イーサンが信頼できるチーム・メイトのルーサーを演じています。
<宙づりシーン>
本作を代表する「宙づりから地面すれすれに落ちるシーン」は3作共に受け継がれています。2作目ではビルの屋上からの侵入し25メートル落下するシーンがあり、3作目には、前半にバチカンで塀を越えるシーン、後半でビルから脱出した際にパラシュートが引っかかり道路の真ん中で宙づりになるというシーンがあります。
<変装シーン>
本シリーズに変装シーンはやっぱり欠かせません。誰かに扮しているので、あらゆるキャラクターが一人二役をやることになります。2作目では善悪のイーサンが二人出てきます。3作目ではフィリップ・シーモア・ホフマンが演じるオーウェンが本人バージョン、イーサン変装バージョンで出てきます。シリーズを通して、変装技術が段々高度になってきているのも伺えます。
<イーサンと女>
必ず、イーサンの愛する人が登場します。男と女の話が絡んでくるあたりも、ただのスパイ映画で終わらないおもしろさの1つですね。
愛に生きるスパイ、イーサン・ハント!恋愛遍歴を経て成長する男イーサンの変化に注目
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“トム・クルーズはなぜ第一線で活躍して来れたのか”勝手に分析!
顔が良くて、運動神経も優れていて、スター性がある…そんな安直なことなら他の俳優だって売れている。でも、そのなかでもトム・クルーズは、自分が何を求められているかがよくわかっているのだと思います。
今まで、数々の監督作品に出てきたトム・クルーズですが、どの作品に出ても“トム・クルーズ”でありながら、いろいろな監督バージョンの“トム・クルーズ”になっています。例えばそれは、キティちゃんがいろいろなバージョンで発売され、どんなバージョンもそこそこ売れるということと似ています。いちキャラクターとして“トム・クルーズ」ブランドが確立されていながら、監督によって料理される受け手としても優れているということなのでしょう。
そして、同時にファンが何を求めているのかについても考えているのだと思います。彼が演じるのは二枚目だけではなく、ダメ人間も演じるし、カメオ出演した『トロピックサンダー/史上最低の作戦』のようなハゲおやじだってやってみる。“トム・クルーズ色”が強いだけに、飽きられないようにいろいろな役柄でファンを楽しませてきたことも長く第一線で活躍してきた秘訣だと思います。
追加情報
■シリーズ5作目『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』2015年8月7日劇場公開
映画批評&デート向き映画判定 トム・クルーズ&クリストファー・マッカリー監督来日リポート
2011.11.30/2011.12.09/2015.08.03 TEXT by Myson