外から見ると成功者、でも本人は幸せではなく、見るべき現実から目を剃らして幸せだと自分に言い聞かせるように生きている…そんな人って結構多いような気がします。人はどうしても自分が求める幸せではなく、世間一般が評価するある意味実態のない“幸せ像”を追い求める傾向にあり、だからなかなか自分の幸せにたどり着けないのではないでしょうか。今回は、自分を客観視できる作品を観て、自分が求める本当の幸せがどういうものか一緒に考えてみましょう。
ツイートブルージャスミン
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<ジャスミンの虚栄> |
センスと品があり優雅に振る舞うジャスミンは、彼女にふさわしいと思われた実業家と結婚したのに、なぜ財産を失い妹のところに身を寄せることになったのか。その真相は物語を観ていくうちにわかるのですが、彼女が自分で気付いて行動すべきだったときに目を背け続けてきたばっかりに、彼女の人生はいつのまにか見かけ倒しの嘘の人生だったという事態に陥ります。彼女が自分を偽ったのは、夫を愛していたからなのか、それとも見栄だったのか…。どちらにしても無意識に自分の身を守ろうとして、自分や周りに対して嘘で固めてしまうことになったように思えます。セレブ気質は備えていると思えるジャスミンですが、結局肝心なところでインチキ。そんな彼女はセカンド・チャンスを掴みますが、そこで彼女の根本的な問題が露呈します。 1回堕落を味わってそこで学んで同じ過ちを繰り返さないと誓えるか、またそのチャンスを軽く見て同じ過ちを繰り返すのか。意外に人間は懲りないもんですが、まずは自覚しないといけないですね。 |
チョコレートドーナツ
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<ルディの戦い> |
ゲイであることが受け入れられていない時代。ショーダンサーのルディは自分らしく生きているが、ゲイであることを隠しながら生きているポールはなかなかカミングアウトできないでいます。もちろん、自分の生活やルディやマルコのためでもあるのですが、ポールが体裁を保とうと偽りの姿を装うたびにルディと口論になります。マルコを法的にも養子にとって2人で彼を育てていくためにどうすることが最善なのか。ルディは真実を伝えつつ、自分たちがマルコを一番愛していて育てる資格があることを証明しようとします。親になることは人としての生き方を示すことだと思うと、ルディの決断は正しいと思います。時代や環境のせいにして偽りの人生を生きるなんて幸せではない。そういう親を見て育つ子どもはどうなるのかと考えると、ありのままの現実を見た上で子どもが自分なりに状況を理解し、判断できるように育てるのが大事なのかなと思います。自分の人生は周囲にも影響します。そんな人生からは脱却すべきですね。 |
自分の心を偽っているってこと自体に気付けないでいる場合が多いのかも知れませんが、絶対に内心どこかで気付いているはずなんですよね。満たされない気持ちになっていると思ったら、一旦自分の心を掘り下げてみることが必要なのかも知れません。自分の心に向き合うことが第一歩ですね。
2014.4.14 TEXT by Myson