2017年1月21日より全国公開
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原作は遠藤周作の「沈黙」、監督はマーティン・スコセッシ。スコセッシ監督はこの原作に出会ってから28年、いくつもの困難を乗り越えて、今回の映画化を実現したそうです。本作は、キリシタンが弾圧されていた17世紀江戸初期、行方不明になった師を探しにポルトガルからやってきた若き司祭と、彼らを匿った日本人信者達の苦悩を描いています。子どもの頃に社会の授業で隠れキリシタンについて習った記憶はありましたが、こうして改めて映像で観ることにより、いかに残酷な歴史だったかと、胸が痛くなりました。あまりに壮絶過ぎて「なぜ同じ人間なのにここまでやるのか」と、当時の日本社会に嫌悪感を抱きましたが、裏を返せばここまでするほどの影響力に脅威を感じていたのだと思うと、思想、信仰が持つ力は計り知れないですね。「神はいるのか」「神とは何ぞや」というのがテーマになっていますが、“沈黙”というタイトルに深い意味があり、その“沈黙”をどう受け止めるかがそのまま“神の存在、声をどう受け止めるか”という事に繋がるストーリーに深く感銘を受けました。観終わった後もすごく余韻を残す衝撃的な作品でしたが、信仰を貫く生き方と人間としての生き方について、疑問を投げかけるストーリーだからこそ、本当の意味での神の存在を感じさせてくれます。 |
とてもヘビーな内容なので、ウキウキした気分でいたい日のデートには向きませんが、生きていく上で何を信じるかという深いテーマを描いているので、カップルで一緒に観て、感想を語り合うには、良い題材の作品だと思います。でも、宗教的なストーリーなので、観る人によってはデリケートな部分もあるため、相手が信仰している宗教があるのか、ないのか程度は知った上で誘ったほうが良いと思います。 |
キッズにはまだ難しい内容で、映像的にも刺激が強いと思うので、大きくなってから観てください。大人は少々頭が固くなっている場合もあり、もしかしたら持論を押しつけられるかも知れないので、中高生はぜひ友達と観て、柔軟に感想を語り合って欲しいと思います。信仰の貫き方はいろいろありますが、信者としての正しさ、人間としての正しさにズレが出てしまう過酷な状況で、自分ならどうするか、ぜひ考えてみてください。 |
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2017.1.10 TEXT by Myson