女子を元気にさせてくれるのは、家族、友達、同僚、恋人…とさまざまですが、あなたが望むときにすぐに“会える”のは、作品のなかのイイ男ですよね。ちょっと疲れたら素敵な男子の姿を見て元気をもらいましょう。
と言っても、イイ男の定義は皆さんさまざまだと思いますので、“味のある男”表現で、誰かのツボにはまる“イイ男”を見つけて、ご紹介していきたいと思います。
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『ブロークバック・マウンテン』『ラブ&ドラッグ』などで、さまざまな役柄を演じ、演技派俳優として脚光を浴びるジェイク・ギレンホール。今回の『複製された男』では、翻弄されていく瓜二つの男たちを一人二役で演じています。そんなジェイク・ギレンホールを本作のインタビューと共にご紹介。
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ジェイク・ギレンホール
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『シティ・スリッカーズ』『遠い空の向こうに』『ドニー・ダーコ』『バブル・ボーイ』『ムーンライト・マイル』『グッド・ガール』『デイ・アフター・トゥモロー』『ブロークバック・マウンテン』『ジャーヘッド』『プルーフ・オブ・マイ・ライフ』『ゾディアック』『マイ・ブラザー』『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』『ラブ&ドラッグ』『ミッション:8ミニッツ』『エンド・オブ・ウォッチ』『複製された男』など |
ジェイク:2人の外見にはあまり差をつけず、態度や行動でそれぞれがわかるように心掛けた。2人は別々の人間だけど、同じ動力源で動いていると僕は理解しているよ。この映画は、何通りもの描き方があると思うんだけど、最も困難で興味深いのは2人をなるべく似せることだと思うんだ。外見や話し方の違いには何の効果もないし、この映画が描くべき観点から逸れてしまう。そういった肉体的な観点や虚栄心を捨て去ることが大切で、できればこの映画の観客には、僕らが住む世界は形而上学的なものなんだと伝えたい。悲観的なことを言うつもりはないけど、死を避けることができなくても僕らは生きなければならないんだ。僕にとってこの2人のキャラクターはまさにそうで、同じ問題に対して違う悩み方をしているだけで、一方が生き残るためにはもう一方がすべてを投げ出して諦めなければならない。その選択に対する答えを描いたのがこの映画なんだと思う。
ジェイク:世の中で他の人がやっている仕事を考えると、僕の仕事は少しくだらないと思えるところもあるから、なるべく「疲れた」なんて言いたくないんだ。だけど、今回の撮影で数分、数秒の間隔で心理状態を繰り返し切り替えないといけなかったから、さすがにちょっと疲れたね。でも役者としては、自分の演技を相手役の目線から見ることができるのはおもしろい経験だったよ。普通は自分の演技が相手にどのような影響を及ぼすか自分ではわからないし、相手にどんな影響を与えるか考えることはあっても、それを実際に体験することはまずないからね。この映画の場合、あの特殊な撮影方法のおかげでそれを体験することができたんだ。
ジェイク:まず初めに、僕がこの映画に参加したいと思ったのはドゥニ・ヴィルヌーヴが大変素晴らしい監督だからだ。実際に彼に会って映画の話をしたら、彼の思い描いていた世界は脚本を遥かに超越するものだった。脚本は彼がやりたかったことを的確に反映した青写真になっていたけど、それは監督自身の手によるものだ。人は成長する過程で多くの妥協をし、自身の何かを手放すことを余儀なくされる。それに対する葛藤や抵抗、誰もが持つ二面性、不適切な状況だと理解していながらものめり込んでしまう。それと同時に、人はある一定の慣例に則した生き方や決められたルールに従わなければいけないと教わる。成長するために妥協は必要だけれど、自分を見失うほど妥協してはいけない。生きていくためには常にそのバランスが必要なんだ。人生を無駄にしないためにも、時には手放さなければいけないものもある。こういった葛藤や妥協は世界共通だと思うんだ。何かを欲することや、それに伴う葛藤、その過程で意識下では何が生じ、どのような決断を下すのか。その不可解で奇妙な道程にとても魅了されたんだよ。
ジェイク:この映画のすごいところは、とても個性的な3人の女性を見事に演じた女優がいるという点だね。イザベラ・ロッセリーニ(アダムの母親役)は、1つのシーンを1日で撮っていたんだ。メラニー・ロラン(アダムの恋人役)とは役作りについて話し合ったりもしたよ。サラ・ガドン(アンソニーの妻役)は、すごい存在感と高潔さがあって、誠実であるための必死さがある女優なんだ。それから彼女には演技に対する姿勢や取り組み方に対して、僕と似たような考えがあることにも気がついた。サラが演じたヘレン役には、ただ入ってきて空間を埋めるだけではなく、答えを導き出すことが求められているんだ。彼女との共演は最高に良い経験だったよ。この映画はいろんなことに対する発見そのものだから、そのプロセスがおもしろかった。自分が考えつかないようなことを考えてくれる人が一緒にいて欲しいし、1シーンでもストーリー全体でも、誰かが手助けしてくれるのはありがたいよ。この映画の場合、現場に来るたびに「このシーンはちゃんと理解しているつもりだったけど、昨日や先週やったアドリブを考慮するとどうするのがベストかな。また、みんなはどう進めるだろう」っていうのがあったね。
ジェイク:蜘蛛が映画の雰囲気を作り出していると思う。冒頭からトロントの街を覆う大きな蜘蛛が現れて、この先何が待ち受けているか観客には知りようがないよね。映画のトーンを決定付ける重要な要素だよ。観る者は「この世界では何でもあり得るんだ。この先何が起きても何が潜んでいてもおかしくないし、理解を超えたものかも知れない」と思わされるんだ。瓜二つの人物が出会うこともあり得ないことじゃない。世界有数の大都市の上を巨大な蜘蛛が這っているんだからね。また、人間の恐怖心に働きかける効果もあると思う。多くの映画の中で恐怖の対象として描かれるのは、追ってくる“何か”とか、ゴジラのような怪獣だけど、僕らはその恐怖の対象に対して決して動機を聞こうとはしない。大作アクション映画でも同じだよ。単純に迫ってくるという事実が恐怖なんだ。蜘蛛は多くの人が恐怖を抱く対象だけど、あの蜘蛛はある大きな“?”としての存在だと思うんだ。あの蜘蛛は何かしら自分の中にある真実とか、向き合うべきものを表している気がする。解釈は何通りもあると思うよ。
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2014年7月18日全国公開
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:ジェイク・ギレンホール/メラニー・ロラン/サラ・ガドン/イザベラ・ロッセリーニ
配給:クロックワークス、アルバトロス・フィルム
公式サイト
映画批評&デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定
大学の歴史講師をするアダムは、ある日同僚から1本の映画を薦められ鑑賞する。しかしその映画のなかに、自分と瓜二つの端役の俳優を発見し、あり得ない現実に驚きと恐怖を感じたアダムは、取り憑かれたようにその俳優を探し始める。調べていくうちに、その男の名前がアンソニーだとわかり、遠くから監視を続ける。しかしアダムはアンソニーとどうしても会って話しがしたくなり連絡を取るが…。
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2014.7.16